無敵の佐伯辰哉が登場

佐伯辰哉

中村圭志
負けたのは佐世保の決勝戦だけ。A級では9走して8勝の佐伯辰哉が断トツの存在だ。前期S級で8勝して、降級直前の場所では決勝にも乗っていた豪脚はレベルが違う。大半のレースで逃げ切っており、ここも別線勢を力でねじ伏せて勝ち切ろう。 ただ中四国に強力な追い込み型が不在。先行主体の自力戦が身上の吉岡伸太郎がマーク戦に回る可能性もあるが、西連係で中村圭志が佐伯の番手最有力と見るのが自然か。中村は7月に防府、小倉を連覇するなど今年V9。A級ではナンバーワンの追い込み型で、佐伯を差し切っての逆転も十分ある。

池野健太

西谷岳文
近畿勢には池野健太、西谷岳文と自力タイプがそろっている。追い込みも黒木誠一、南大輔と層が厚く、一枚岩で結束できれば佐伯を苦しめそう。ラインの軸となる池野もS級でも通用していただけに、同期の佐伯に対して一歩も引かない。降級直後は動きが重かったが、7月高知の初日特選では小川丈を撃破、8月名古屋では準Vと徐々にA級のペースもつかんできた。109期ナンバーワンの意地を見せるか。ただ、今の佐伯に対して真っ向から力勝負ではさすがに厳しいので、位置取りも含めた総力戦で西勢を切り崩していきたい。

杉山悠也

内田玄希
東日本勢では杉山悠也が有力なV候補。厳しい態勢からVを飾った7月小倉はA級では常に格上の競走を見せる杉山ならではで、森田康嗣、曾澤龍とそろったスジの機動型を目標に優勝争いに加わろう。内田玄希、飯島淳の東京勢に、小峰烈と関東勢も勢いがある選手がそろい波乱を呼ぶことも十分。
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ナカムラキヨシ 中村 圭志
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調子
登録地 熊本
卒期 86期
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年齢 38
戦法 追捲
BS数 0
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直近4カ月得点 97.79
1着数 11
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逃げ 0
捲り 1
追込 15
マーク 1
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勝率 45.8%
連率 70.8%
三連率 91.6%
佐伯亮が谷口僚らと並びA級最強クラスの機動型なら、中村はA級最強クラスの追い込み型。“昨年の終わりから練習を色々と試行錯誤してきた成果が実を結んできた”と、降級した今年は18場所で9Vをゲット。小林泰ら現S級の若手機動型をも破って実に2場所に1回のペースで優勝を飾っている。九州の機動型は手薄ながら、西日本で佐伯辰を目標にできる可能性も十分だし、前々好位を狙って攻めていく自在戦も得意で、自分でやっても問題ない。強いて不安を挙げるならミッドナイトには対応しきれていない点くらいだが、“まだまだ優勝を量産したい”と闘志は満々。ここも有力なV候補だ。
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スギヤマユウヤ 杉山 悠也
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調子
登録地 秋田
卒期 89期
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年齢 36
戦法 追込
BS数 0
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直近4カ月得点 95.36
1着数 4
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逃げ 0
捲り 1
追込 5
マーク 1
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勝率 14.2%
連率 25%
三連率 39.2%
外併走も苦にしないしっかりした位置取りに、鋭い差し脚で狭いコースを突っ込んでくる競走が身上。事故点や落車のリスクを背負った走りでここ数年はずっとS級とA級のエレベーター状態が続いているが、実力はS級中堅クラス以上だ。降級の今期は3場所目の7月小倉で厳しい展開から直線一気に伸びて早速Vをゲットと上々のスタートを切った。“タイムも出ているし伸びている”とデキには手応えをつかんでおり、強敵がそろったここもラインの機動型を盛り立てつつ存在感を発揮する。
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イケノケンタ 池野 健太
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調子
登録地 兵庫
卒期 109期
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年齢 27
戦法 逃捲
BS数 8
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直近4カ月得点 95.48
1着数 3
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逃げ 1
捲り 5
追込 1
マーク 1
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勝率 12%
連率 32%
三連率 48%
失格点もあって1年でA級に逆戻りとなったが、前期はS級のレースにも慣れて1月立川記念で初勝利を挙げたのを始め、7勝、2着6回と存在感を発揮した。ボスにまくりで激しく詰め寄った5月奈良の予選など109期ナンバーワンの片りんを見せ始めたところでの降級。だが、“A級ではもっと持ち味を磨いてS級に戻ってきたいです”と来年1月からのS級復帰が決まっているだけに、いい緊張感を保って臨めている。7月はやや動きが重かったが、8月に入り名古屋を準Vと調子は尻上がり。ヨコの動きも含めた自在な走りも苦にしないが、“まだ自力でやれることをやっていかないと”と強靭な地脚を生かした自力勝負へのこだわりは強い。今シリーズは同期の佐伯辰が最大のライバル。絶好調の佐伯をどう崩していくか腕の見せ所だ。
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サエキタツヤ 佐伯 辰哉
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調子
登録地 広島
卒期 109期
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年齢 23
戦法 逃捲
BS数 17
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直近4カ月得点 101.50
1着数 11
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逃げ 9
捲り 3
追込 2
マーク 0
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勝率 40.7%
連率 51.8%
三連率 62.9%
失格点で約2年ぶりの降級となったが、前期S級では清水裕友のアドバイスでセッティング、フォームを変えたことに、ウエイトトレーニングの成果も出てコンスタントに勝ち星をマークした。ウィナーズカップにも出場して2日目には栢野智の追撃をも振り切って逃げ切るヒットを飛ばしている。S級1班クラスの機動力を誇るだけに、3場所で完全V2回を含む8勝とA級ではレベルが違う。警戒網を敷かれて本来の先行勝負ではなく、まくりに回らされるレースが増えているが、冷静に対処しパワーの違いでねじ伏せている。“S級に復帰するまでに身体を作って上位と戦える脚力を付けたい”とモチベーションは高く、17年4月以来となるミッドナイト出場にも“楽しみ”と話していて死角はない。