• 第61回朝日新聞社杯 競 輪 祭 GⅠ11/19〜11/24

後記 GⅠ 小倉 11/19

初タイトルでグランプリへ

松浦悠士

松浦悠士

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 準決勝を勝ち上がった時点で、決勝戦を無事故完走すれば松浦悠士のグランプリ初出場は決まっていた。「すごい緊張した」と準決勝を振り返ったが、重圧から解放された決勝戦では「緊張なく走れました」と笑顔。最後の最後にタイトルを獲ってグランプリ初出場に花を添えた。
 「実感はあまりないです。でも(タイトルを)獲ってグランプリに出られるっていうのが本当にうれしい」
 レースは中国勢と関東勢で大きくは2分戦。「前が取れたので踏んで吉田(拓矢)君がどうするのか見て突っ張るか粘るか」。突っ張る構えから関東勢を分断した清水裕友がすかさず2コーナーからまくって出た。
 「出てから諸橋(愛)さんが後ろにいたので、ギリギリまで待って追い込もうと。ヒロト(清水)が頑張ってくれたので自分が先頭で(ゴールを)通過できてうれしかった。タイトルはなかなか獲れるものではないのでラインの勝利ですね」
 昨年11月防府記念の決勝で清水に離れて、練習やレースに対する考え方が変わった。その後は12月に地元、広島で記念初優勝を飾り、2月の全日本選抜ではG1初優出と着実にランクアップしてきた。「1年間、頑張ってきたし、良かったなと思う」と強い気持ちで戦い抜いた2019年を振り返るが、次は今年の目標だった年末の大一番が待っている。
 「次はグランプリ優勝へ向けて、また始めないといけないな。もっと脚力を向上しないといけないし、(グランプリ)獲るって強い思いを持って1カ月過ごしたい」
 グランプリでも清水と強力タッグを組んでライバルたちと対峙する。

 清水裕友にとっては作戦どおりの組み立て。平原康多を飛ばして2コーナーまくりを打ったが、惜しくも初タイトルはならなかった。
 「2分戦だったので突っ張って、(吉田が)無理やり来たらハコ。引いたらないんでね。取り切ってすかさず行ったけど、ゴール前はいっぱいだったですね。4コーナーで気配がなかったんで、夢見たけど。悔しいのもあるけど、ラインで決まったので言うことない。グランプリは獲れるように末脚の練習しときます」

 グランプリ出場には優勝するしかなかった諸橋愛にとっては厳しいレースになった。柏野智典をキメて清水、松浦の3番手に付けたが3着が精いっぱいだった。
 「(イン粘りは)想定外でしたね。半分もなかった。いや10パーセント以下かな。考えが甘かった。拓矢も頭になかったんでしょうね。だからガツンと踏まなかった。もうその後は必死でした。康多も浮いたんで。3着に入るのが精いっぱいでした」

 2センターからまくった和田健太郎だったが、諸橋の一発にやられた。
 「行くならホームで行っちゃえば良かった。でも(平原が)浮いたのが見えてためらった。そこで行っとけば面白かったかも。何もできないよりは仕掛けられただけ良かったです」

 逃げた吉田拓矢は清水の分断にあって8着に沈んだ。
 「(仕掛けは)あのタイミングしかなかったですね。あれ以上遅いと突っ張られてしまうし。出てからはもう緩められなかったです。キツかったですね。悔しいです。また頑張ります」

 清水に飛ばされた平原康多はシンガリ負け。悔しそうにレースを振り返る。
 「(飛び付きは)あると思ってた。じゃなければジャンで飛ばされてました。勝負なので、逆だったら俺がやるんで。ずっとツケマイで苦しかったですね。結果は悔しいですけど、逆のパターンもあるので」

Race Playback

レース展開4
関東分断から2コーナーまくりを打った清水裕友選手を交わした松浦悠士選手がうれしいG1初優勝を飾った。

レース経過

誘導員 : 小川勇介

 号砲で松浦悠士が出て、清水裕友-松浦-栢野智典の中国勢が前受け。以下は和田健太郎、吉田拓矢-平原康多-諸橋愛、坂口晃輔、木暮安由となって静かに周回を重ねる。 青板3コーナーから清水が誘導との車間を切って、後続をけん制する中、赤板で吉田ダッシュ。これに合わせて清水もスパートし、両者で踏み合いに。2コーナーで吉田が出切ると、清水は番手飛び付き策に出る。打鐘からは吉田の後位がイン清水-松浦、アウト平原-諸橋で激しい取り合いに。最終1センターで平原を飛ばして番手を奪い取った清水は、間髪入れずに2コーナーからまくって出る。バック手前で先頭に立った清水には松浦が続き、遅れた諸橋は柏野をキメて3番手に。直線に入り、粘る清水を、松浦がゴール寸前で交わしてG1初優勝を飾った。

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