• 熊本記念in久留米10/1〜10/4

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 久留米 10/01

 久留米競輪場での『熊本記念代替火の国杯争奪戦』も今年で7回目を数え、久留米競輪場で熊本記念が行われることが当たり前になりつつある。が、熊本競輪場は2024年度の再開に向けて着々と工事が進んでいることも明らかになっている。復興は誰もが待ち望んでいる。真新しいバンクで『火の国杯争奪戦』が行われるその日が、待ち遠しくてたまらない。

荻原尚人

荻原尚人

 闘志をむき出しにして前々へと攻める競走を貫き通してきた荻原尚人。先行、まくり、飛び付き。なんでもやる熱い競走は、ファンのみならず選手間でもリスペクトを集めていた。だが、初日にまさかのジカ競り宣言。追い込みに転向することを明らかにした。

 「1班の点数が自力じゃもう取れないし、限界を感じていました。自力は十分やりましたよ。前が駆けた時の追走の仕方だったり、最後の突っ込み方。3日目も、中釜(章成)君がカマして来る時に自分が振ったり、中釜君を飛ばせなくてもその番手を飛ばすとか、そういう動きをしないと。余裕がないとその動きはできない。前が上げてる時に自分は回してしまっているし、前が回している時に踏んでしまっている。そういうところをなくして余裕を作っていかないと。こういう失敗も経験だと思って勉強していきたい」

嘉永泰斗

嘉永泰斗

 嘉永泰斗はディフェンディングチャンピオンとして今大会に臨んだ。だが、直前の共同通信社杯で落車して鎖骨骨折に見舞われてしまい、万全のコンディションとはいかなかった。結果は二次予選敗退と、決しても満足のいくものではなかった。それでも、気力で戦い抜き、結果として3勝を上げてその意地を見せた。

 「最終日は踏み出しがよかったし、いつも通りの感じだった。本当に二次予選が悔やまれる。あれはケガとかじゃなくて、自分の弱さ。メンタルの弱さが出た。自分の競輪を見つめ直さないといけない。気持ちを立て直すのが本当に難しかったけど、一晩落ち込んで吹っ切れました。熊本記念はこれが最後じゃない。また次出た時に取り返します。この後が結構空くので、しっかりケアをするのと、また体を作り直します」

村上博幸

村上博幸

 前検前日に村上義弘が引退を表明。弟である村上博幸は「信じられへん」と前検日に話していた。ただ、博幸自身も半年間の欠場からようやく復帰して、ここから這い上がろうと苦悩している最中。今節は1着こそなかったが、松浦悠士と2度、郡司浩平とも連係して今のS班の実力を肌で感じた。決勝2着は大きな前進だろう。

 「(兄の事を)レースで思い出したりとか、競走に影響がある感じではなかった。でも、日頃の生活の中でふと考えてしまう開催だった。ホンマなんかなって。夢に見てしまうような感じ。選手としてやり尽くして終われたんだから羨ましい。自分もやり切りたいなって。今回は緊張感のあるメンバーで連日走らせてもらえて、自分の中で収穫があった。帰ってからやりたい練習も見つけました」

室井蓮太朗

室井蓮太朗

 最終日6レースに行われたのは、ルーキーシリーズ2022プラス。勝ったのは山口多聞の番手から抜け出した室井蓮太朗だった。慣れない番手でレースを事細かに把握し、冷静に1着をつかんだ。新人らしからぬ追い込みセンスからは大物っぷりを感じさせた。

 「山口君の好きなところから仕掛けてほしかったし、ジャンくらいから行くと思ってた。安彦さんが切ると思っていたんで、その通りになった。後ろの動きも全部見えていたし、1回振ったくらいで何もしてない。東矢(圭吾)さんが来たけど、前が掛かっていたんで止まるのはわかっていた。踏むのが早かったかもしれないけど、真鍋(顕汰)さんに来られたら合わせ切れないと思った。山口君があれだけ頑張ってくれたので、何としても1着を取らないとと思って全力で踏みました。直近の目標は松浦(悠士)さんみたいな選手になること。最終的には小倉(竜二)さんみたいな信頼される追い込みになりたいです」

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