未来につなげるKEIRINグランプリ2019

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立川競輪場を多くのファンが埋め尽くした
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佐藤慎太郎
1億340万円の賞金ボードを掲げてファンの声援に応える

 2019年12月30日(月)、『KEIRINグランプリ2019』が立川競輪場で行われ、佐藤慎太郎(福島・78期)が優勝した。

 KEIRINグランプリの1レースだけでも52億1579万6,700円を売り上げるほどの競輪界最高峰のレース。来年に迫った東京五輪でメダル獲得を目指す脇本雄太と新田祐大の強さが際立っていたのは数字が物語っている。グランプリの前のレースでは寺内大吉記念杯の決勝戦が行われたが、まくりで優勝した稲毛健太の上がりタイムは11秒5で1周タイムは23秒4だった。グランプリでは打鐘から仕掛けた脇本の1周タイムが22秒2、個人上がりは11秒5と、冬の重いバンクコンディションを考えると、異次元のスピードバトルだったことがうかがえる。メンバー最多出場の経験を誇る平原康多(7年連続10回目の出場)が「凄いレベルのレースだった」と語った一言が印象的だった。

 準優勝の脇本はナショナルチーム対決で新田には先着するが、「度胸の差でいったら、新田さんの方があった。普段はやらないそういう動きができるのかと」とレース後にはライバルを称えていた。東京五輪ではこの2人が日の丸を背負って戦う雄姿を見たいと思ったファンも多いはずだ。

 当日、立川競輪場に駆け付けた観客は12,157人。近年の競輪場は入場者の減少に頭を悩ませているが、例年12月30日だけは、場内は熱気に包まれ、かつての賑わいを取り戻す。年があけて1月4日からは令和2年のグレード戦線が立川競輪場からまた始まる。東京五輪の行われるメモリアルイヤーは競輪業界にとって、またとないチャンス。競輪トップ選手の熱い戦いと、自転車競技日本代表の活躍に期待し、業界が一丸となって〝競輪〟を盛り上げていきたい。

小山裕哉記者

2019年12月31日 14時00分

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