気を取り直して松本秀之介 ~佐世保ミッドナイト~

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松本秀之介
また一から白星を積み重ねる
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山原さくら
新興勢力の壁になれるか

 4月28日からの佐世保ミッドナイトはルーキーの松本秀之介が主役を務める。直前の4月松戸ミッドナイトでの特進はまたしても逃した松本だが、7月からの初のS級は決めているので気落ちは全くない。それよりもここでまた勝って悪い流れは断ち切りたい気持ちの方が大きいだろう。A級では大半の開催で優勝していて、S級中堅以上のスピードの持ち主。ここも好機に仕掛けて同県の中村健志と熊本ワンツーを目指す。また、九州では、瀬戸晋作と西田将士の地元勢にも注目したい。
 3月川崎から3連覇中の小林令も有力なV候補。A級で目標不在のレースではタテ脚勝負基本の競走に徹するが、混戦になれば逆転も十分だろう。
 藤原俊太郎と前反祐一郎の中国勢も軽視は禁物だ。降級直後の勢いがない藤原だが、出切って掛かってしまえば、別線は容易に巻き返せない。

 4度目のS級特進チャレンジも実らせられなかった松本だが、「7月からS級に上がることが決まっているので、それに向けて練習している」と競輪界の一大勢力となりつつある熊本の若手軍団の中で切磋琢磨しているだけに前を向くだけだ。「今まで先行にこだわってきたわけでもない」。チャレンジ時代から“スピードのあるところを見て欲しい”とS級、それもトップクラスの選手に見劣りしない切れ味を誇るまくりを主武器とするが、“前よりレースの中での走り方が分かってきた”と最近はレースの組み立てにも幅が出てきた。弟が5月から121回生として日本競輪選手養成所に入所するのも刺激材料。また一から勝ち星の山を築いていこう。

 ガールズは、尾方真生、西島叶子、南円佳に、地元の山口伊吹。そろった次世代スター候補を相手に山原さくらが壁になれるか興味深い一戦。前走はまさかの凡走に終わった山原だけに引きずっているようだと苦戦を強いられる可能性もあるが、立て直していれば、簡単に若手に好きなレースは許さない。“いい感じで最後まで踏めていた。すかさず仕掛ける事ができたし、前半のスピードは久しぶりに良かった”と手応えを感じ取っていたのが前々走の4月高松。2月後半から1カ月近くレースが空いた間にしっかり練習できた成果も出てきて、昨年後半から続く好調な勢いはさらに加速しそうな感じだっただけに、前走不調の原因がはっきりしないままでは不安なのは確かだろう。しかし、1月松山では女王・児玉碧を破って優勝している実力者。若手を一蹴して流れを取り戻す。

権田浩一記者

2021年4月26日 15時50分

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