阿部将大が初物尽くしのG3初V ~高知競輪場~

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阿部将大
トロフィーと花束を握りしめて笑顔で写真撮影
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1着でゴール線を駆け抜けた8番車の阿部将大選手
S級に昇級して5場所目での初優勝

  3月1日(火)に高知競輪場で行われた第3回施設整備等協賛競輪『土佐水木賞』(GⅢ)はG3初出場で初決勝の阿部将大(大分・117期)が見事優勝を決めた。悩みに悩んで前を託した同地区の岩谷拓磨(福岡・115期)の仕掛けに乗って鋭く抜け出し1着でゴールを駆け抜けた。
 レースは初手で7番手となった金子幸央が打鐘過ぎに切ると、ライン4車の先頭でもある島川将貴が鐘4コーナーで叩いて主導権を握る。最終ホーム手前で単騎の中西大が反撃を開始すると前受けから車を下げていた岩谷が即座に反応。中西を追いかけ気味にまくると最終3コーナーで逃げる島川を強引にまくった中西と踏み合いになる。すると岩谷の番手を回っていた阿部は4コーナー手前でタテへ踏み込むと後続に2車身差をつけてゴールした。
 「岩谷君が一生懸命に走ってくれた。最終バック手前で中西さんの後ろに岩谷君が嵌った所で(優勝を)取れると思ったし、その感触があった」と残り半周で優勝を確信していた様子。「今開催はデキ過ぎですね。(優勝は)ビックリしています。決勝でハコを回れると思っていなかったけど、岩谷君が調子良いということだったからお願いしますって感じでした」とG3初出場、初決勝で初VがS級での初優勝と初物尽くしに自身が一番驚いていた。「普段のF1戦は負荷を与えてのレースだったけど今回は調整してきて良かった。今回は裏開催だけど、しっかりと優勝をとれたことは自分の中では大きい」と入念な調整が結果に繋がった。「(これからファンからも期待される立場になるが)そこは期待してもらえたら応えられるように頑張りたい。そこで厳しくて勝てなくなってもその壁を乗り越えることができれば次のステップに繋がる」と重圧を力に変える覚悟はある様子で、壁にぶつかることにも怖気づいていない。今年はヤンググランプリ出場可能の最終年となり、「ヤンググランプリは出られたら良いなぐらいで、最終目標はグランプリ。今は力をつけるときだし、中間目標でヤンググランプリに出られたらって感じです。ただ(今回の優勝で)可能性が高まったから逃がさずにいきたい。僕よりも強い同期はたくさんいるし、今回は人の後ろだから取れた。これからも(同期たちに)負けないように頑張りたい」と早くも年末にフォーカスを当てている。「理想の選手は松浦(悠士)さんですね。強い選手っていうよりも巧い選手を目指したい」と憧れの選手の名を口にした。「次は大垣記念。しっかりと調整して決勝に乗れるように頑張りたい」と気持ちはすぐに次の出走を意識しているだけに今月10日(木)から開催される大垣記念でさらに大暴れしてくれることを期待したい。

池端航一記者

2022年3月1日 18時00分

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