再発走も松浦悠士が圧勝 ~岐阜競輪場~

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松浦悠士
神妙な面持ちでレースを振り返った
スタート直後に落車

 岐阜競輪場で開催されている開設73周年記念「長良川鵜飼カップ(G3)」は、9月2日に2日目が行われた。勝ち上がりが争われた二次予選では、発走直後に松浦悠士(広島・98期・SS)がバランスを崩して落車するアクシデントがあった。約10分遅れでの再発走となったが、松浦は力の違いを見せてまくりで圧勝。右肩、右ヒジなどに軽度の打撲はあったが、3日目の準決にも問題なく出走を予定している。


 あの松浦が…。ファンも目を疑うようなシーンが、スタート直後に起こった。
 「(落車は)スタートで出負けしたんで力んでしまった…」
 スタートからおよそ15メートル付近で松浦が落車。25メートル線の手前だったため、再発走の措置がとられたが、レースでのバランス感覚は輪界でも一、二を争う松浦。ましてや断然の人気を集める存在だけに、ファンの動揺も推して知るべしだろう。
 「ファン、関係者の方々にはご迷惑をお掛けしました。プレッシャーというより、勝たなきゃっていうのがありました」
 レースは古屋琢晶ラインを受けて、松浦はすんなり中団を手に入れた。が、「山本(伸一)さんは必ず仕掛けて来ると思った」の言葉通り、山本の仕掛けで一筋縄ではいかない流れになった。近畿勢にかぶってコースがない松浦は、慌てることなくタイミングを待った。そして伊原克彦が浮いてできたスペースを踏むと、あっという間に前団をとらえて後続をちぎった。
 「(最終)1センターくらいで行こうと思ったけど、大西(健士)さんが上がってきたんでコースがなかった。無理して突っ込むと危ないっていうのもあった。(再発走のアクシデントで)いつもと車輪が違って(まくりは)出脚が良かった。その分、出切ってからの伸びがなかった」
 落車によるアクシデントで慣れない車輪に交換したが、トルクの違いであっさり。「もうちょっとちゅうちょするかと思ったけど、落車の影響はまったくないですね。強い」と、8車身離れて2着に入った神田紘輔も苦笑するしかなかった。
 「(身体は)右肩、右ヒジの打撲と、擦過傷はすり傷くらい。スピードも出てなかったので(大丈夫)。でも、恥ずかしいかぎりです」
 自らのアクシデントで再発走。人気集中で並みの選手なら逃げ出したくなるシチュエーションだが、それにも当然のように打ち勝った。3日目の準決もトリの12レース。松浦のパフォーマンスを信頼したい。

竹内祥郎記者

2022年9月2日 20時03分

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