原田研太朗が悲願の地元記念初V ~阿波おどり杯争覇戦~

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原田研太朗
地元記念初制覇を喜ぶ
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上がりタイムはバンクレコードタイ
地元作戦が成功!

 小松島競輪場で2日(木)から行われている『開設70周年記念阿波おどり杯争覇戦』は5日(日)に決勝戦を迎え、地元勢が絆の強さを示して3番手の原田研太朗(徳島・98期)が悲願の地元記念初制覇を成し遂げた。

 レースは、後ろ攻めの島川将貴が赤板過ぎに先頭に立つと、打鐘から全力で踏み上げる。最終ホームを一本棒で通過し、5番手の位置から反撃に出た河端朋之に合わせて太田竜馬が最終バック手前から番手まくりを敢行。中国勢には何もさせずに4コーナーを回ると3番手で脚を溜めていた原田研太朗がゴール前で交わす。

 優勝した原田は「島川君がやる気だった。あとは河端さんだけを見ていた。昨日は僕のミスで(河端に)まくられたけどそこを修正すれば大丈夫なんじゃないかという話になった。(島川は)えげつないかかりで前でドリフトしていた。早めに行こうと思ったが、(太田が)相当、踏み直してきた。僕が早めに踏まんと、小倉さんのコースがなくなりますからね。ただ、前だけを見て余裕はなかった。ハコじゃない分の余裕はありましたけど」とレースを振り返った。

 原田には今年の地元記念にかける強い思いがあった。「(小松島記念は)S級入ってのデビュー戦で、それ以来ずっと読んで貰っていたけど、昨年はあっせんがなくて悔しかった。一人で練習をしていてごっつ寂しくて、それが頑張れるキッカケになりました。今年はチャンスがあれば狙いたいと思っていた。目の前で太田君が完全優勝をして地元から出て嬉しかった。今年もと思っていました」

「無観客は無言というか、寂しい。僕は気持ちで走るタイプなので。小松島はこれで今年最後の開催。リニューアルした後にはお客さんを入れて欲しいですね」。新しくなる小松島競輪でも大活躍に期待したい。

 連覇を狙った太田竜馬は1車輪差の2着。「点数ないのに番手を回らせてもらったし、並び的に原田さんの優勝かなと思ってた。頑張ったっすけど、後ろに差されるのはしゃーないですね。ペースで行ったら終わりなんで、全開で(番手まくりに)行きました。島川さんのおかげですね。(初の番手は)後ろもおるんでヘマできんから緊張しました」

 地元の4番手を固めた小倉竜二が3着を確保して地元ラインで上位を独占。「スピード競輪やね。まくりの太田のその上を研太朗がまくって行く感じだった。(原田の)2センターからのまくり追い込みでもう一段階スピードが上がって、そこに対応できなかった。(4着になりそうで)最後はちょっと危なかったですね」

 今節は記念開催で初めて7車立てが行われたが、スピードケイリンを象徴するように、自力選手やスピードのある選手の活躍が目立った。参加した選手からは「単調なレースになりやすい。シンプルで走り易い。スピードタイプが有利。車番がいつもより大事になる」といった声があったが、「いつもの競輪という感じはしない。9車だからこそできることもあるし、それが面白い」という声も上がっていた。

小山裕哉記者

2020年7月5日 16時20分

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