格が違う阿部拓真 ~松山ミッドナイト~

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阿部拓真
自在な攻めで3連覇を決める
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犬塚貴之
強烈ダッシュでチャレンジはオール連対

 松阪とともに8月30日から行われる松山ミッドナイトは、S降りの阿部拓真に期待したい。今期は3年半ぶりの降級となったが、S級でも優勝経験があり、自在な攻めで活躍していた選手だ。前期は落車や失格で流れが悪かったものの、降級後の8月青森では2コーナーまくりで後続を突き放してVをゲット。さらに続く伊東では保科千との連係して連続VとA級では力の違いを見せている。今回はスジの機動型や援軍は手薄だが、器用な立ち回りでV争いをリードする。
 地元地区の四国勢も侮れない。軸となる近藤誠二は、7月広島で大外を追い込んでVを達成。その後も堅実に決勝にコマを進めている。7月高松でV、8月小倉で準Vと乗ってきた外田心斗や、力を付けている今野有樹の地元機動型をアシストして上位進出を狙う。

 格上の阿部が3連覇を決めてきそう。昨年後期は落車、失格の連続で17年後期以来の降級となってしまったが、前期まで4期連続でS級1班を張っていた実力者だ。降級後はさすがに格の違いを見せており、目下、8月青森、伊東を連覇中。上がり11秒1のまくりで後続を千切って優勝した青森の走りなどまさに圧巻の強さだった。落車続きで落としていた状態が、開催中止が続いていた間にリセットできて、練習もしっかりできたことで上向いてきたことが大きい。ヨコの動きも得意だが、出脚鋭いタテ攻撃が一番の売り。ここも俊敏な立ち回りから一撃を放って決着を付ける。

 チャレンジは、中四国、九州の3地区あっせんで、117期からは犬塚貴之、谷元奎心と、追加で倉松涼の3名が参戦。三宅旬、長野和弘、原清孝らベテラン実力派も見逃せないが、やはり新人3名を軸にV争いは繰り広げられそう。3人ともデビュー後は順調に力を発揮しているが、地元の犬塚の連続Vに期待の一手だろう。身長159㎝と小柄な体格ながら、“長所はダッシュ。ゼロダッシュなら同期の誰にも負けない自信があります”と瞬発力は人一倍。高校時代にはインターハイのケイリンで優勝の実績があり、本格デビュー後も3場所走って全く連を外していない。直前の8月広島モーニングは完全V。7月久留米、別府ミッドナイトは準Vだったが、負けたのは2班に特班した松尾辰、町田太だから力はチャレンジ屈指と言っていい。“(本格デビュー戦の)久留米の競走を見て師匠(橋本強)にはレースにメリハリがないと言われました”と、どの位置からでも勝負できるように、仕掛け方のバリエーションを増やすなどレース運びも一戦、一戦考えて工夫している。長い距離を踏んでの勝負もためらわないが、最も威力があるのは、緩んだタイミングを逃さずロケットダッシュで一気に飛び出すカマシ、まくり。ここも後続を突き放す攻撃的なスタイルで決めてくるか。

権田浩一記者

2020年8月29日 14時09分

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