東西の強豪が激突!! ~名古屋ミッドナイト~

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中村一将
強敵相手にベテランの意地を見せたい
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貴志修己
初Vのチャンスは絶対に逃さない

 9月20日開幕の名古屋ミッドナイトは、東西の強豪が激突するシリーズ。まずは佐々木悠葵、小畑勝広の関東115期の2人。どちらも主役を務められる機動型だが、佐々木がリードしている。8連勝して臨んだ8月豊橋ミッドナイト決勝では藤井侑の気迫の先行の前にまくり届かず2着。今年2度目の特進チャレンジも失敗に終わったが、続く9月取手では再び完全V。ダッシュ、スピードはS級上位にも通用するレベルなだけに、好機にしっかり仕掛けられれば取りこぼすことはあるまい。小畑は佐々木にライバル心を燃やす。8月松阪ミッドナイトでは上がり11秒1の快速まくりで優勝と、こちらも絶好調。佐々木とは6月前橋決勝で対戦し、逃げてまくられて2着に終わっている。ここも先に仕掛けて今度こそ雪辱を果たしたい。
 中村一将、小谷実、中野彰人の近畿勢や、地元の舘泰守に、岩本和也、さらに松岡晋乃介、竹内公亮の岐阜コンビらの中部勢と西勢にも実力者がそろう。中でも中村、舘はS級での実績豊富な格上の選手で、ともに降級後はきっちり優勝も取っている。また、追加参戦の小林則之の機動力も一級品。組み立てがハマれば一発ある。

 ここも完全優勝して次の場所で再び特進を狙いたい佐々木の脚力が抜けているが、迎え撃つ中近勢もラインの厚み、経験値で対抗可能だ。中でも注目は中村か。昨年後期は落車が続いて04年後期から守ってきたS級の座を遂に譲り渡すこととなったが、前期は6勝をマークとまだまだタテ脚は健在だ。“昔とは新人の強さが全然違うし、競輪が変わってるというのを実感させられる”と話しながら、降級初戦の7月豊橋112着から実力を発揮。“セッティングや乗り方を変えて”臨んだ2戦目の同月和歌山では優勝している。その後も疲れが出た8月富山を凡走した以外は順調で、約20日間競走が空いたここも体調バッチリで臨んで好勝負を演じてくれよう。優勝した和歌山決勝は上がり11秒2のまくりを決めて勝っており、スピード的に関東の若手機動型に見劣りしないし、連係実績ある小谷や積極的な鮫島康治に前を任せての番手戦で有利に運べる可能性もある。ベテランの底力を示すか。

 チャレンジは中部、近畿2地区対抗で、117期生は林敬宏、小浦凪、枠元一葵、貴志修己の4人。まだ全員が優勝未経験で波乱の余地はありそうだが、中では連続準優勝中の小浦と、同じく準V2回の貴志がVには近そう。レース内容を評価するなら貴志だ。軟式野球出身で自転車経験はなかったのに、養成所に一発合格し、能力試験でA評価を3回続けてHPD教場にも在籍した能力は非凡というしかない。本格デビュー後も順当に力を発揮してきており、2戦目の7月名古屋以降の3戦は全てのレースで最終バックを取り切っており、直近の8月和歌山は112着。“先を考えたら長い距離を踏んで勝負していけるようにならないと。今はとにかく小さいレースはしない様に、力を出し切りたい”と先行基本の走りで快速ぶりを示して主役の座を奪い取る。

権田浩一記者

2020年9月19日 21時18分

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