注目ルーキーの松岡泰辰が登場 ~別府ミッドナイト~

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松岡辰泰
評価はうなぎ上りの新鋭
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青柳靖起
そろった同期対決を制す

 10月9日からの別府ミッドナイトは、松岡辰泰が率いる九州勢で断然だ。松岡は117期勢の中でも指折りのスター候補だ。有言実行のライン重視のレースに徹し、1・2班戦3場所もオール連対のV1、準V2回。ライバルになりそうな機動型が、自在タイプの三好陽一くらいなら別線をシャットアウトしてラインできめられるし、今回は押し切りが有力だろう。前期S級で、降級後は堅実に着をまとめている中園和剛、7月当所の準Vが印象に残る國武耕二と上位を独占だ。
 対するは、三好、越智展孝の愛媛勢だ。三好は6月高知ミッドナイト、8月当所と今年2V、9月武雄では準決で節目の300勝も達成と乗っている。当所戦のVは四国連係で番手を回ったものだったように、最近は若手に前を任せるレースも増えてきたが、もちろん、自力自在な走りが身上で、ここは松岡のペースをいかに乱すかに知恵を絞ろう。中国勢は、田中和磨、田上晃也の若手機動型の奮起が待たれる。

 10月地元の熊本記念内で実施されたルーキーシリーズプラスでは九州連係を実らせて宣言通りV。引き続き松岡から目が離せない。10秒台の上がりタイムで勝ったレースもあるようにスピードは一級品ながら、レーススタイルもカマシ、まくりを多用したりせず堂々としたもの。「(昇班して)先行がメインになっていくので、長い距離を踏む練習をしています。(1・2班戦は)出切ってしまえばチャレンジとやる事は変わらないけど、道中の駆け引きとかが難しいです」。まだまだ発展途上を強調するが、マークした選手からは「強いし、駆け方が上手い」と絶賛の声が上がる。昇班初戦に完全優勝した走路で、「積極性が売りなので、緩んだところを逃さず全開で行く」と再びレースを支配してラインで決める。

 チャレンジは、青柳靖起、兼本将太、谷元奎心と実力者がそろった九州117期勢のV争いとなりそう。本命は青柳だ。卒記チャンピオンで、本格デビューするや2場所連続で完全優勝している。ところが、負けなしでの特班を目指したところでまさかの病欠。約2カ月休んで9月高松で復帰も予選2着で一からやり直しになってしまった。とはいえ、その高松も11秒0の快速まくりを決めて寺沼伊らを千切って優勝しており、その実力に陰りは一切ない。養成所では3回目の記録会でゴールデンキャップを獲得し、T教場にも所属したスピード、ダッシュはレベルが違う。ライバル達には遅れを取ったが、ルーキーシリーズプラスで、九州の先導役を買って出て地元の松岡を勝利に導いた走りで吹っ切れただろう。山口龍也とラインで決めてみせる。
 兼本、谷元がどこまで青柳に迫るかだが、両者ともに直前の場所で優勝をして自信を深めているだけに手強い存在だ。兼本はデビューから準Vが続いていたが、9月小倉ミッドナイトで同期の踏み合いを力強くまくってV。強靭な地脚を生かした仕掛けは魅力だ。谷元は同じく9月小倉ミッドナイトで初V。「藤田剣次さんにセッティングに見てもらって不安なく走れた」と豪快に逃げ切った。見所の多い同期対決となりそう。
 また、和泉尚吾も着実に力を付けている。9月武雄ミッドナイト211着の動きが抜群だった三宅旬がマークなら軽視できない勢力となりそう。

権田浩一記者

2020年10月9日 13時19分

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