松本秀之介に強敵そろう ~武雄ミッドナイト~

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松本秀之介
連勝はストップ。ここから再始動
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小林優香
強敵に勝って手応えをつかむか

 10月17日からの武雄ミッドナイトは東西の強豪がそろって大激戦。中でも注目は松本秀之介だ。山口拳に次いで負けなしのままS級特進が期待された松本だが、直前の防府でまさかの準決敗退。しかし、1・2班戦で2場所連続完全優勝した実力は揺るぎのないものだ。まくり一辺倒の走りはリスクもあるが、スピードはS級上位レベルで、まともなら一撃で他を切り捨ててしまおう。地元の山口敦也はどう出るか。積極先行タイプではなく、流れに乗っていって自力を放つのが持ち味で、松本と同乗なら前を任せることも。高比良豪、飯田裕次の福岡勢や屋良朝春も含め九州勢の動向がレースの流れを左右する。
 松坂侑亮、成清謙二郎の南関コンビが強敵。ケレン味なく攻める松坂の先行力は5月玉野ミッドナイト、8月平塚の完全Vが示す通りだ。東の遠征勢では、板垣昴に、完調なら有力なV候補となる宇佐見裕輝の福島勢や幸田望夢にも警戒したい。
 小原周祐、清水一幸ら四国勢も侮れない。小原のダッシュ生かした仕掛けは強烈だし、清水のここにきての充実ぶりも素晴らしい。両者で組めば展開有利に運べる。

 直前の防府では準決で敗退し、連勝が16でストップした松本。短走路だけに早めに巻き返しに行ったが、これが裏目で突っ張る外田心とスピードが合ってしまった。仕掛けのパターンがまだ限られている弱点を突かれた形だが、これで持ち前の闘志に火が付いたか。本人が自信を持つスピードはA級レベルではない。“あくまで自分はチャレンジャーの立場なので力を出し切って戦うだけ”。プレッシャーからも解放され、逆に吹っ切れていれば、包囲網を敷かれても軽く突破してみせる。

 ガールズには、小林優香が登場する。東京五輪代表に内定した小林は、ここ何年も競技の方に比重を置いた生活を送っている。ガールズケイリンを走るのは約1カ月ぶりとなるが、完全優勝した6月松山ミッドナイト、9月防府と同様、普通開催では負けられない。ここは尾崎睦、佐藤水菜がいて、松山、防府で戦った相手より手強いが、次走の小倉でのガールズグランプリトライアルに向けて勝って手応えをつかむには絶好の相手。“他の五輪代表は結果を出しているのに言い訳はできない”と今年のビッグレースで結果を出せていないのに強い危機感を覚え、競輪に向けた練習に、セッティングも見直してきている。グランプリに出場するには勝つしかない一戦を前に、その成果を披露する。
 対する尾崎、佐藤も平塚で行なわれるグランプリ出場へモチベーションは高く、是が非でも優勝して賞金を上積みしたいところ。7月にナショナルチーム入りした佐藤はスピードがアップ。それとともに、流れを見極めて一撃で決めるスタイルに競走も変わってきた。熱望していた追加参戦で、小林相手にもテンション高く臨む。尾崎も1着ラッシュの近況だ。バックを取るレースが目立つように攻めも積極的で、小林、佐藤との対決は見ものだろう。

権田浩一記者

2020年10月16日 15時46分

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