岩谷拓磨が特進に挑む ~武雄ミッドナイト~

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岩谷拓磨
いよいよ特進に王手
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成清龍之介
復帰戦でV奪取だ

 11月4日からの武雄ミッドナイトは、10月防府、同月松山を連続完全優勝し、この場所にS級特進を懸ける岩谷拓磨に注目は集まろう。師匠の吉岡稔真氏の教えを守り先行勝負にこだわってレースを組み立ててきたが、内容より着が求めれるシリーズでどう戦うか。今回は九州の強力機動型がそろっていて、過去に連係実績がある橋本瑠偉の援護を受けての積極策、新鋭・伊藤旭に乗っての番手戦、さらに橋本や伊藤とは別で割り切って勝負と様々な選択肢がありそうだが、与えられた役割を全うして目達成を目指す。
 乗っている橋本も地元戦は譲れない。10月佐世保ミッドナイトでは、佐賀作戦で天野純の番手からまくって晝田宗らにVゲットしている。ここも岩谷や伊藤マークから優勝を狙うケースは考えられそうだ。動きが重い好永晃は、同県の橋本ら九州の機動型がそろうここで巻き返しのきっかけをつかみたい。
 また、9月に特班の伊藤もV候補に挙げていい。1・2班戦2戦目の10月別府では早くも完全優勝している。九州で結束なら先導役を務める事となろうが、先輩らの胸を借りるシリーズとなるかも。
 中四国勢からはまず直近4カ月の3連対率が9割を超える城戸俊潔と、タテ脚もある連佛康浩の岡山コンビ。城戸は岩谷との同期対決に燃える。両者の対戦はデビュー直後の昨年8月までさかのぼる。この時は城戸が番手戦だったので参考外。ともにA級トップクラスの機動型に成長しての対戦は楽しみだ。戸田康平、久樹克門の四国勢も伏兵には止まらない。

 岩谷は、昨年12月の佐世保レインボーカップで特班するや、1・2班戦でもすぐに頭角を現して今年ここまでにV6。すべて3連勝で飾っている。すでにG1を走っている坂井洋、高橋晋也、朝倉智仁には遅れを取ったが、順調に出世街道を歩んでおり、仮に特進ならなくとも来年1月から初のS級が決まっている。
 「師匠には3日間逃げてって言われていますし、カマシ、まくりはなるべく使わないようにしてます。それで番手の人に抜かれたら練習して力を付ければいい。同期がS級で活躍していて、自分も早く追い付きたい気持ちもありますけど、今は内容重視の競走をしています」
 強烈なダッシュ、スピードに定評があるが、あえてその武器には頼らずにオーソドックスな先行勝負にこだわってここまできた。直近の10月松山の準決は2周近く突っ張って逃げてそのまま押し切ったほどだ。ただし、特進が懸かれば話は別か。九州の機動型がそろった興味深い一戦。その走りから目が離せない。

 チャレンジ戦は、成清龍之介が本命。9月松戸決勝の落車で1カ月実戦に姿を見せていないだけに、断然とは言えないが、復帰ならやはり狙うは優勝のみだろう。父の貴之(73期)のDNAを受け継いだ、117期在所10位の逸材。本格デビュー戦の7月四日市ミッドナイト、9月宇都宮ミッドナイトとここまで2回の優勝歴がある。“脚質はダッシュですが、先行にこだわったレースをしていきたい”と父や師匠の成清謙二郎(90期)のアドバイスを聞いてレース運びは積極的。宮倉勇グループでの街道メインの練習で鍛えられ“だんだんと先行する脚が付いてきたと思う”と話していたところでの落車は痛かったが、パワーアップして帰ってくるか。

権田浩一記者

2020年11月2日 13時57分

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