石原颯が悔しさを晴らす ~別府ミッドナイト~

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石原颯
今回は本来のパワーを見せる
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谷元奎心
快速を飛ばして完全Vだ

 12月12日からの別府ミッドナイトは、新鋭・石原颯が優勝候補の筆頭だ。9月玉野で特別昇班すると、1・2班戦でも5場所で優勝3回、準Vが1回の好成績。直前の12月大垣ミッドナイトは113着でS級特進こそならなかったが、プレッシャーで明らかに動きが重かっただけに参考外だろう。力を出し切る競走に専念し、篠原龍馬、児玉慎一郎とラインで決める。自力でも強くてA級戦での勝率は6割を超えている篠原、今期はV2と差し脚好調な児玉も、石原の仕掛け次第ながら連候補には止まらない。
 戦法多彩な山口敦也も有力なV候補のひとり。流れでしっかり中団を確保できれば得意のまくりが炸裂する。やはり来期は初のS級が待っている山口のレースになれば、古川貴之、四元慎也や屋宜浩二といった追い込み陣にも出番がありそうだ。
 中国勢は、城戸俊潔が直前になって欠場。9月当所ミッドナイトで決勝に乗っている船瀬惇平の奮起に期待するしかない。

 9月に特班して5場所走った時点(ルーキーシリーズを除く)で3回の完全優勝。未だ確定板を外していない石原が初登場の走路で存分に暴れまくる。陸上8種競技からの転身で、「デビューしてから順調にきていると思います。8種競技では100mが一番得意だったんです。持ち味は地脚とかダッシュとかは特に意識していないですが、どちらかと言えばダッシュタイプだと思います」。決まり手だけを見れば先行、まくりをバランス良く使い分けている印象だが、“突っ張り先行が一番楽”と話す通りの積極タイプ。逆に外併走からの仕掛けも苦にしないだけに、好きなタイミングで仕掛けられて穴は少ない。“緊張はしていない”と話して臨んだ前走の大垣ミッドナイトだったが、S級を目前にして、やはり動きが固くて本来の走りは見せられなかった。その分もプレッシャーから解放された今シリーズは魅せる。“連日、モヤモヤするレースだった。タイム的にも。バンクレコードを出すくらいのつもりでスカッと勝ちたい”。11秒台前半の上がりタイムを連発している豪脚が炸裂する。

 チャレンジは、谷元奎心がVを譲らない。ルーキーシリーズから全てのレースで決勝に乗ってV4。11月高知ミッドナイト決勝では九州別線の兼本将を突き放すまくりで圧勝し、兼本の特班を阻止している。「シッティングでの踏み上げが得意。トップスピードには自信があります」。ここも中村翔平との別線勝負は避けられないが、レースを覚えて上昇一途の中村に現時点での力の差を見せ付ける。“1着が取れれば勝ち方は…”と先行、まくりをバランス良く使い分けており、相手の出方に応じた仕掛けで決着だ。中野真吾は117期勢との連係からV機を探る。10月佐世保ミッドナイトで待望の初Vを決め、1月からようやく2班に上がる苦労人。前記の高知決勝では谷元のまくりに離れたが、今回は食い下がりたい。
 谷口幸司、武智尚之の四国勢は、谷元か中村の番手飛び付き策の一手だろう。すんなり番手を取り切れれば、ゴール前で鋭く迫る脚はある。

権田浩一記者

2020年12月10日 23時52分

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