混戦も佐々木堅次に期待 ~松山ミッドナイト~

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佐々木堅次
降級初戦をVと好スタート
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中村翔平
初優勝を決めて波に乗りたい

 降級の選手に実力者がそろってVの行方は混とんとしている。中でも、降級初戦の1月平を211着とVスタートを切った佐々木堅次が本命には最も相応しいか。昨年後期のS級は8月の落車で鎖骨骨折し3カ月を棒に振ったこともあって大きな印象は残せなかったが、降級前には勝ち星も挙げていて復調を感じさせる動きを見せていた。平もやや相手は軽かったが、しっかりレースを運べており、磯島成介に前を任せるレースになればもちろん、自力でも好機に仕掛けて出られたら勝てる。
 地元の日野博幸からの狙い十分。1年でA級に逆戻りとなったが、先行、まくりの自力勝負でコンスタントに勝ち星があった脚力は今期も猛威を振るいそう。初戦はA級のレースに慣れなかったのか期待を裏切ったとはいえ、2戦目、しかもホーム戦となれば一変してくる可能性がある。しかも、今シリーズはスーパーダッシュを誇る新人の犬塚貴之もいる。両者ともに仕上がっているようなら、地元コンビを本線視してもいい。
 まくりに威力がある城幸弘、山口翼の関東勢も一発を秘めるし、病欠が続く大西貴晃が完調で復帰なら中村健志にも出番がありそう。

 前期S級だった佐々木だが、1・2班戦での優勝経験がないままにS級に上がったために、降級初戦の1月平が意外にも初優勝だった。高校時代には中長距離種目で活躍した地脚タイプで、体格は小柄ながら、抜群のスピードに、踏み直しも確か。やや詰めを欠いての2、3着が多かったのだが、半年間でしかも3カ月は怪我で休んだとはいえ、S級を経験したのはやはり大きかったようだ。“S級は緩んだらすぐに飛んでくるし、残り1周のスピードが凄かった”。一皮むけた姿は平の3日間でも存分に示した。特選、準決は前受けから引いてのロングスパートで敵を一蹴。決勝は慣れない番手戦で、しかも競られたが、競り勝つと余裕を持っての抜け出し。相手が強化されるこのシリーズも制して一気に波に乗っていきたい。

 チャレンジは、中村翔平に初Vのチャンス到来だ。8月の落車で9月、10月は良くなかったが、以後は連勝での勝ち上がりが続いており、軌道に乗ってきている。「先行でも残れるようになってきました。レースはだいぶ覚えてきたけど、それでもまだ練習の3割くらいの力しか出せてない。もっと頑張りたいですね」。決勝で敗れた同期は続々特班していっている。新年のチャレンジ戦線では主役を張っていく立場だ。展開に応じて力を出し切るレースを心掛けており、先行とまくりとバランス良く使い分けている。前走の1月前橋ミッドナイトでは落ち着いて好位キープからまくって太田龍らを破っており、ここは同期のライバルの和泉尚吾ら地元勢を一蹴して、いい流れをつかむ。

権田浩一記者

2021年1月11日 13時36分

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