当時、高速道路もままならなかった時代でしたので、高速と一般道で何時間もかけて行ったのを覚えています。俺はウキウキしていたので長旅の疲れなんてありません。ロードレースを走れる緊張感で満ち溢れていました。福島県に入り現地に到着しました。車を降りると、そこは住宅地。ロードレースが行われる様な山岳地帯ではありません。しかもそこは学校の駐車場なのです。先生に休憩ですか？と聞くと「ここだよ！」と指さしました。指の先を見ると、なんとそこは学校の校庭ではありませんか（驚）。ここで走るの？マジかよ？ただの砂の校庭じゃん。俺の走りたかったロードレースとは違うじゃん！とただただガッカリしたのを覚えています。
　福島県棚倉の大会は、昔から学校の校庭を走る有名な大会だったようです。仕方なく気持ちを入れ変えて走るしかありません。でも俺も走るからには負けたくない根性がメラメラと沸き上がってきます。「やったろうじゃねぇ～か！」と思いながらヨーイ！ドン！１レースから始まりました。普通の学校の校庭なので路面は砂、しかも平地。滑って落車続出！中には転ぶのが怖くて外に膨らんでしまい、サッカーゴールの中に突っ込み、ネットに絡まってしまう選手もいて、見ている俺達は大爆笑！腹を抱えて笑っていました。その中でも最高にウケたのは、同じレースで俺の横にいた選手です。俺が滑ってしまい体をぶつけたら、その勢いで障害物を避けながら学校の校門から出ていってしまった（笑）。もう一生忘れません！