不撓不屈・ボスの自転車人生

不撓不屈・ボスの自転車人生

後閑 信一 後閑 信一 ごかん しんいち 元競輪選手  平成2年4月に65期生としてデビュー。落車による大ケガや数々の困難を不撓不屈の精神で克服。第46回競輪祭、第15回寛仁親王牌、第56回オールスターとG1で3V。面倒見いい親分肌と風貌から〝ボス″と称された。平成30年1月引退。通算成績は2158戦551勝、2着311回、3着255回。

第27回 自転車競技の虜になった  2018年8月29日

 西湖のロードレースも最後の直線です。数百メートル先にはGOALのフラッグも見えてきました。毎日競輪場でスピード練習、日曜日にはプロの競輪選手と練習をさせてもらっている俺は、正直、ゴールスプリントは負ける気がしませんでした。というか、負けは許されない!と思っていました。当時、高校2年生の俺は身長175㎝体重70キロ。それでも周りの選手に比べるとかなりガッチリしていました。ゴール前はぐいぐいと前の選手達をゴボウ抜き、最後は後続をぶっちぎっての優勝!を決める事が出来ました。トラック競技では1000メートルタイムトライアルで関東大会優勝!そしてロードレースでもスーパーチャンピオンで優勝!凄く気持ちの良い充実した時期を過ごせていたと思います。【努力は必ず報われる】を実感できた瞬間でもありました。
 ロードレースの世界は華やかです!表彰式にはステージが用意されていて、トロフィーや賞状、記念品等が渡され、メディアからたくさんの取材も受けました。今後の進路は?という質問があり、もしかして大学?俺は競輪選手になることばかり考えていたので、凄く新鮮に聞こえたことも覚えています。優勝すると新たな道が開けるきっかけになると思ったと同時に、周りから注目される事の快感も覚える様になりました。自転車で勝負する、自転車競技の虜になってしまいました。この想いは引退するまで俺の中にありました。だからこそ何度でも立ち上がり、またあの景色を見ようといつまでも挑み続けられたのだと思います。

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