第30回 インハイの強烈な思い出 2018年9月15日
トラック競技はスプリントの200mTT計測から始まります。次々と上バンクからかけ下ろしタイムが発表されます。そして登場しました【有坂直樹】選手!やはり注目度が違います。俺は1センターから食い入るように見ていました。金網越しだと顔の表情が見え、真剣さが窺えます。有坂選手はどんどん勝ち上がり、圧倒的な強さで優勝。パーキングエリアでビーサンにロンパン履いてアイスクリームを舐めていた人とは全く別人でした。あのメリハリとギャップが凄いと思いました。
俺は千mTTに出場し6位でした。納得できるタイムではないし、一回しか走らないのがつまらない。次は何回も走れるスプリントに出場しようと思いながら、リーゼントの髪型を整えてダラダラ行くと、5位の選手がまだ来ていないようでした。俺も6位ではめんどくせぇし、恥ずかしいだろ!とかブツブツ言いながら表彰台まで行ったのに、まだ来ない奴がいたのです。「鈴木健選手!召集まで!」と何回も放送が流れていました。ん?岐阜県の鈴木健?俺より遅く来るとは太てぇ野郎だ!と暫く待ちました。すると体の大きな俺よりデカイ鶏冠のリーゼントがやって来て5位の表彰台に上がりました。隣で顔を見ると「うわっ~やっべぇ~めちゃめちゃ怖いやん!」本当に高校生かと思う程でした。有坂選手とは違う意味で「上には上がいるんだなぁ~」としみじみ感じました。1つ上の秋田県・有坂直樹選手と岐阜県・鈴木健選手。高校生2年生のインターハイでは強烈な思い出となりました。