第6回 デビュー戦で1分12秒43! 2018年3月31日
真夏の炎天下の中、私達一年生は先輩のオツコ(お使い小僧)からのウォーミングアップもしないまま千メートルタイムトライアルを走りました。当然仲間の一年生達は1分20秒台を連発!中には1分30秒台もいました。そして私の番が来ました。めちゃめちゃ緊張したのを覚えています。構えて!スタート!仲間がソレ!ソレ!ソレ!ソレ!ソーレ行け~!「なんじゃそのかけ声は?」と思いながら必死でペダルを漕ぎ続けました。気が遠くなりそうになるとゴール!ゴール!ゴール!ゴール!と仲間達の声が聞こえて来ました。走り終わった後に太ももに激痛が走り、息が出来なくなる程苦しく芝生に倒れ込み暫く立てなかったのを思い出します。こんな苦しい事は二度としない!と思いながらダッグアウトに戻るとあちこちからスゲー!とか本当に初めてかよ?とか聞こえてきます。タイムを見に行くと1分12秒43と書いてありました。そのタイムは今でもハッキリと記憶に残っています。自転車はレミントン、ギヤは48×14。私の中で正式な自転車競技はここから始まりました。
翌日、登校すると先輩や同級生の様子がいつもと違いました。俗に言う一目置かれるという事です。厳しかった先輩達が優しくなり、気も使ってくれる様になりました。実力の世界なんだという事が少し分かってきた様に感じました。そう感じた時から、一日でも早くイタリアンチームレース(現在のチームスプリント)や団体追い抜き競走等で先輩の力になりたいと思う気持ちが強くなりました。