疾風怒濤の競輪回顧録

疾風怒濤の競輪回顧録

山田 裕仁 山田 裕仁 やまだ ゆうじ 競輪評論家  昭和63年5月に61期生としてデビュー。平成9年KEIRINグランプリを皮切りに、GP、GⅠを優勝すること9回と、同期の神山雄一郎、吉岡稔真とともに一時代を築いた。14年3月のダービーで現役引退を表明。同年5月の引退後はスポーツニッポン紙で競輪評論家として活動している。

第9回 節目をむかえて  2016年2月18日

 人生の節目といえば、やはり結婚も一つでしょう。新しい生活が始まり、自分でも守っていかなきゃいけないものが出来るわけですから。お互い育ってきた生活環境が違うのに、一つ屋根の下で暮らすのですから、そりゃあ良くも悪くも大変です。しかも、現役バリバリのこれからっていう時の結婚は、奥様のほうが大変だったと思いますよ。弱くなったら何言われるかわかりませんもの。他人は面白おかしく話したがるもんですからね。奥様は22才で結婚ですから、どうせ自宅じゃたいした手伝いや料理なんてやってなかったでしょうに頑張って主婦業してくれてました。私も結果出さなきゃ・・・
 ハードな練習による疲労からか腰痛が出やすい体になっていたため、結婚を機にウエイトを取り入れた練習を始めた。トレーナーとともに、腹筋背筋、体幹を鍛えて腰痛防止に取り組み、爆発力を付けるパワートレーニング。そこに、奥様が作ってくれる食事は残すと悪いと思い頑張って完食。完食するからまた次の食事もしっかり作ってくれる、作ってくれるから食べる。嬉しいやら、苦しいやらで、食う、練習、食う、練習で、短期間で体重7キロ増えていました。こうしてプロの体になっていったわけです。
 そんな頃、同期神山君は、オリンピックに向けてトレーナーをつけて練習しどんどん強くなっていった。素質のある人がお金をかけて練習してたらどんどん差が開くじゃないかぁ。追いつかなきゃ!私もトレーナー探しを始めて、知人の紹介で北見氏と出逢うことが出来た。
 料理でいえば、素材は良いものが手に入ったから後は味付けですね。美味しいものの完成が待ち遠しいわけです(笑)後は、入れる調味料を間違えないように・・・って感じですかね。
 あーだのこーだの意見のぶつかり合いも数少なくなかったが、信じて練習メニューを消化してました。
 自転車の練習の基本を簡単に言うと、力を付けてそれを回転力に変える!これをどの方法で練習するかだけなんですがね。あとは疲れを上手く取りレースに参加出来るかです。体のケアは、月一は東京に通ってました。移動で疲れるから意味無いと思うでしょうが、それは気持ちの問題。夜のネオンが呼んでますし、いろ~んな意味で心身リフレッシュなんですね。(笑)疲労回復には、自分でどの程度疲れているのか判断出来なきゃ意味がないんですが、たまに自分の疲労度がわからない人もいますから難しい。

ページトップへ