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2002年8月 ふるさとダービー優勝

2年前と同じ逃げ切りで、2度目のビッグ制覇

ふるさとダービー優勝画像

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「もっと強くなりたかったです」。引退会見でこう言葉を振り絞った村上義弘。

ビッグ初制覇を遂げた00年2月のふるさとダービー豊橋から、02年2月の西日本王座まで2年間、ビッグの決勝からは遠ざかっていた。そして、この8月のふるさとダービー弥彦での2度目のビッグ制覇をもたらしたのは、一時たりともこの言葉を忘れることがなかったからだろう。

2月の西日本王座で久々のビッグ優出を果たすと、続く3月の日本選手権でG1初の決勝の舞台を経験した。そして7月の寬仁親王牌では、松本整(京都・45期。引退)、伊藤保文(京都・71期、引退)とのラインを組んで、2度目のG1ファイナルに挑んだ。いまは宮城籍の齋藤登志信(山形・80期)を叩いた村上が、打鐘で主導権。番手絶好の松本が、小橋正義(新潟・59期、引退)の猛襲を振り切って優勝。村上が先行で松本に10年ぶりのタイトルをもたらし、松本を“男”にした瞬間だった。

その勢いをかって迎えたふるさとダービー弥彦。それだけに村上自身も期するものがあったに違いない。結果的には村上後位がもつれて、6人の大量落車のアクシデント。それでも当時取材した記者が記しているように、『村上のVの価値はいささかも下がるものではない』が、紛れもない村上の評価だった。しかしながら、まだ道の途中。逃げ切りで2度G2を獲ったにすぎない。ゴールはない…。理想を追い求めることに変わりはなかった。

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