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2003年6月 ふるさとダービー優勝

地元で3度目のふるさとダービーを制覇

ふるさとダービー優勝画像

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『競輪は、ただ勝てばいいわけではない』。そんな思いでの地元ビッグ制覇だったのかもしれない。

先行1車、決勝はメンバー構成に恵まれた。後続の競りをしり目にマイペース。後ろに松本整(京都・45期、引退)、大井啓世(奈良・58期)がいた村上義弘にとっては、そんな気はさらさらなかっただろう。その証拠に打鐘過ぎに勢い良く飛び出して主導権。先行態勢を取った。誤算もあって、結果的には松本と横田努(熊本・69期、引退)が重なり、5位入線の松本は失格の憂き目をみた。それだけに「松本さんとワン・ツーを決められなくて反省している」という言葉は自然と出た。ラインでの競輪。それが村上の心の中から離れることはなかった。

「歴代の先行日本一は、もっと強かったので少しでも近づけるように努力する」。村上が憧れた滝澤正光(千葉・43期、養成所所長)に一歩でも近づき、追いつきたい。向上心を失わなかった村上は、最後まで理想を追い求めた。アクシデントもあり、2着の坂本英一(栃木・59期)を2車身離してのゴール。やりたかったのは後続を引きちぎっての逃げ切りVではなく、ラインを連れ込んでの直線勝負。そして松本を振り切っての優勝だ。

「(競輪は)勝負だからといって、なにをしてもいいわけではない」。村上が貫き通した美学は揺らぐことなく、いまのトップ選手たちが引き継いでいる。

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