• 川崎競輪場開設69周年記念桜花賞・海老澤清杯4/7〜4/10

後記 GⅢ 川崎 04/07

地元で僥倖の記念初V

小原太樹

小原太樹

 誘導員のはずだった小原太樹選手が、追加配分でチャンスをつかんで優勝。500万円の賞金ボードを掲げる。

 「ゴールした時はどうかなって」
 浅井のまくりは、白戸と絡んで届かない。直線は山中と小原の勝負。最後のハンドル投げで、わずかに山中をとらえた小原に軍配が上がった。
 「今回は応援にまわりますって言ってたんですよ。練習しようとしたら(追加で)、なにも調整しないで来た。とにかく(欠場した)五十嵐(力)さんのぶんまで頑張ろうと」
 先輩、五十嵐の欠場で急きょ回ってきた地元記念。中1日でもホームの舞台に弱気になることはなかった。
 「地元だし気合を入れ直した。それでも、まさか中1日でここまでの成績を収められるとは」
 シリーズを着。初日を郡司浩のハコでワンツーを飾ると、山中の3番手に付けた2日目からは、同期の山中とのタッグが続いた。
 「踏み出しで離れたけど、追いつてからは余裕はあった。気合でなんとか(山中を抜いた)」
 昨年の当所記念決勝は、郡司との地元ワンツーの2着。郡司の名前が決勝になかった今年は、小原がカクテル光線を浴びて優勝賞金500万円(副賞含む)のボードを高く掲げた。
 「記念を獲りたいと思ってはいた。でも、そこまでの実力はないかなと。本当に夢みたいです」
 桜の花はとうに散ってしまった川崎の夜に、ピンクの勝負服が鮮やかに咲いた。
 浅井のインからの進出を阻んだ山中は、落ち着いて中団をキープ。松本の番手を競り負けた大塚が最終ホームで4番手に降りると、ひと呼吸置いてからまくりを打った。
 「(ラインが)機能して良かった。(浅井が)内に来るのが見えたし、あそこをしゃくられなかったのが大きい。(最終)ホーム前後の詰まったところでは、行こうと思っていた。うまく行けて良かった。あれで浅井さんにその上を行かれたらしょうがないし、行かせない自信もあった」
 8番手から踏み込んだ浅井だったが、バックから白戸と絡んでスピードが鈍る。白戸に踏み勝ったところがゴールで3着が精いっぱい。
 「ジャンで(内が)空いたらラッキーだと思ったんですけどね。4番(白戸)に絡まれなければ…」
 「全部含めて踏み出しなんですよ」とは、白戸。南関3番手で前に遅れながらも、懸命に追走して浅井をブロック。ラインに貢献した。
 「(浅井のまくりと)合ったから、役に立たないと申し訳ないと思った」

Race Playback

レース展開1

レース経過

誘導員 : 東龍之介

 正攻法の浅井に北野が付けて前受け、山中―小原―白戸で中団、後方は松本―香川―桑原で大塚は初手から香川に競りかける。 赤板前の4コーナーから松本が上昇。これに合わせて山中も中団から動く。赤板の2コーナーで先頭に出った松本の後位は内に香川、外に大塚で競り合いが続く。山中がすんなり中団に収まり、下げた浅井は8番手に置かれる。松本が打鐘の3コーナーからペースを上げると、番手は内の香川が死守してホームを通過。だが、5番手の山中が2コーナーから鮮やかなスピードで松本をまくり切る。続いた小原が直線で鋭く差し切り、地元で記念初優勝を飾った。寸前で交わされた山中が2着で地元ワンツー決着。後方からまくり追い込んだ人気の浅井は3着まで。

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