• 平塚競輪場第72回日本選手権競輪5/1〜5/6

後記 GⅠ 平塚 05/01

今度は仲間と共に

三谷竜生

三谷竜生

決勝優勝写真
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決勝優勝写真
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 前には競技の金メダリスト、後ろには歴代のダービー王が2人とお膳立ては整った。三谷の名を日本中に轟かせた大会から1年。今度は頼もしい仲間と共に喜びを分かち合った。三谷が大一番を制し、史上7人目となるダービー連覇を成し遂げた。
 「素直に嬉しいです。去年のダービー決勝は(近畿勢が)1人だったけど、今年は4人。みんなのおかげで獲らせてもらいました。ラインでしっかり決められたのも良かったです。近畿のラインの強さを改めて確認できましたね」
 大挙4人が勝ち上がった近畿勢。唯一のS班として、絶好の番手回りで大一番に臨んだ。先頭を任された脇本は1センターから一気に踏み込むと、別線を引き離して駆けていく。
 「いつもより緊張したけど、脇本が良いレースをしてくれたし、自分は付いていっただけ。本当に(G1の)決勝で、あの先行はすごかった」
 最終バックを過ぎても4番手以降の車間は縮まらず、別線は成す術なし。V争いは近畿4車に絞られた。三谷に訪れた絶好の展開。最後まで集中を切らさずに、巡ってきたチャンスをつかんで見せた。
 「あのカカりで後ろから来られることはないと思ったけど、ゴール線まではしっかり踏みました。脇本のすごい先行を差せて良かったです。近畿で(上位を独占して)結果を出せたことも嬉しい」
 昨年のダービーでは100期台としてG1を初制覇。しかし、その後は怪我に苦しんで結果は出なかった。それでも、赤いレーサーパンツに履き替えてからは、記念を3Vなど猛チャージ。焦らずに己を信じた結果が、再び歓喜の瞬間を呼び込んだ。
 「昨年のダービーを優勝したことで自信にもなったけど、(7月福井記念の落車で)怪我をしたことも良かったと思う。そこでしっかり考えられました。今年は結果を出せているし、やってきたことが間違っていなかったですね。今後もやることは変わらない。それをしっかり続けていきたいです」
 他地区の強豪に対し、ラインの厚みをバックボーンにして戦う近畿勢。今後も、三谷が主翼の一人として盛り立てていく。
「今回は連覇できてよかったです。後半戦のG1でも結果を出したいですね。この後も頑張って近畿勢を盛り上げていきたい」

近畿勢が結束力示す
 最多となる5度目のダービー制覇を狙った村上だったが、記録更新はならず。逃げた脇本との2着争いに持ち込むのが精いっぱい。
 「脇本が強かった。オーバーペースかと思ったけど、最後はもう1回加速していった。今年の(三谷)竜生の活躍通り、近畿でSSは(三谷)ひとり。(近畿勢を)引っ張って来てくれたんで、日本選手権の優勝者にふさわしい」
 脇本はラインを上位独占に導く先行策を披露。ナショナル組としてのポテンシャルを改めて示した。
 「(ラインを)最大限に生かすには、(仕掛けが)あのタイミングだった。ラインを生かそうという気持ちが強かった。反省を言うと、もうちょっと(仕掛けが)遅くても良かった。でも、自分らしくていいかな。(自力で)タイトルを獲りたい。もう少しで届きそうな気がする」
 新田は豪脚を見せることなく終了。G1の3連覇は叶わなかった。
 「勝負どころで仕掛けられなかったのが敗因。自分で踏んでいればよかった。浅井さんが車間を切っているのかと思って、どこから詰めるのかなと思ったら、浅井さんが苦しそうだった。慌てて(仕掛けて)行ったけど…」

Race Playback

レース展開8
脇本選手が、赤板の1センターでスパート最終3角でも近畿勢との車間は縮まらず近畿4車での直線勝負を三谷選手が制した

レース経過

誘導員 : 高木隆弘

 号砲で浅井、新田、和田が飛び出すが内枠を生かした浅井が正攻法を確保。周回は浅井―香川―新田―山中―和田―脇本―三谷―村上義―村上博の並び。 残り2周の赤板を前に脇本は徐々に前との車間を空ける。そこから車間を詰めて1センターで一気に踏み上げると、4番手の村上博まできっちり続いてライン4車で打鐘できれいに出切る。誘導との車間を切って脇本の仕掛けに備えていたはずの浅井だったが、打鐘で3、4車身車間が空くと、出切ってからもペースを落とすことなく踏み続ける脇本の前にさらに車間が開いてしまい追い付くことはできなかった。8番手に置かれてしまった山中が2コーナーから巻き返すが、新田に合わされ不発。その新田もそこから車が出ない。近畿4車はセーフティーリードを保ったまま最後の直線へ。逃げた脇本は最後の力を振りしぼって踏み直すが、番手絶好の三谷がゴール前で抜け出し、史上7人目のダービー連覇を飾る。直線で外を回した村上義が粘る脇本をわずかにとらえて2着。4着にも村上博が入って、近畿4車で上位を独占した。

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