• 岐阜競輪場開設69周年記念長良川鵜飼カップ9/6〜9/9

後記 GⅢ 岐阜 09/06

22年目の春

桑原大志

桑原大志

 松浦悠士選手マークから追い込んだ桑原大志選手が記念初制覇。ウイニングランでファンに応える。

 「圧倒的な劣等感があった。それは僕が一番感じていた」
 昨年、グランプリの舞台に上がり、今年は輪界の最高ランク、S級S班に身を置いた。ほかのS班8人にビッグ優勝の実績があるのに対して、桑原は記念での優勝も未経験だった。
 「グランプリに乗った時も、ドッキリじゃないかと(笑)。いまもフワフワした感じがある」
 同地区の松浦とは初日、準決に次いでシリーズ3度目のタッグ。全幅の信頼を寄せた松浦が、桑原にチャンスを運んできた。
 「(松浦は)今回は自信がありそうだった。だから(松浦に任せて)いいゴール勝負ができるかと」
 先行の腹を固めていた松浦だったが、その上を竹内が叩くと飛び付いて番手を奪う。桑原はしっかり、松浦に食らいついた。
 「(松浦は)1コーナーでここ(番手)なのかなと。だから、その後ろは絶対に死守しなきゃ」
 竹内を射程圏に入れた松浦が直線半ばで交わすと、その外を桑原が追い込む。山崎の猛襲を半車輪抑えたところがゴールだった。
 「一生懸命やってきた結果が去年に出て、いい思いをさせてもらっている。(ファンから)よくやったって言ってもらえるとうれしいですね。もうちょっと頑張れそうな気がします」
 デビューから21年での記念初V。派手さこそないものの、玄人受けする仕事ぶりで、これからも中四国地区を支えていく。
 山賀をすくって和田に続いた山崎は、和田の上をさらにまくり追い込んで桑原に迫った。
 「詰まってしまって、山賀をどかすしかかなった。(和田)真久留のところまで行けてれば」
 松浦は瞬時の判断で、竹内の番手に作戦変更。坂口を弾くと、竹内との車間を詰めて追い込んだ。
 「自分が特別競輪(G1)に出始めてから、桑原さんが一番親身になってくれて、自分を育ててくれた。ここまで来られたのも、桑原さんのおかげです。もう(最終)ホームだったし、駆けるつもりで踏んだら、竹内さんが来たのがわかった。あそこじゃ引けなかった」
 思いのほか遅い仕掛けになった竹内は、こう振り返る。
 「自信のなさが、そのままレースに出てしまった…」

Race Playback

レース展開1

レース経過

誘導員 : 濱口高彰

 ゆっくりとしたスタートから山賀、和田の南関コンビが前に出て、周回は和田-山賀-山崎-大槻-竹内-坂口-松浦-桑原-金子の並び。 青板バックで松浦にフタをされた竹内はすんなり8番手まで下げて、ホームから上昇を開始。しかし、この動きをけん制しながら2コーナーから松浦が踏み上げると、誘導員を下ろしてペースを上げる和田を叩いて打鐘過ぎから先頭に立つ。そこをすかさず踏み込んだ竹内が残り1周から主導権を奪取。叩かれた松浦は坂口をさばいて離れながらも竹内を追う。2コーナーからまくった和田は不発に終わる。その外を山崎も仕掛けたが、わずかに届かない。車間を詰めた勢いで松浦が直線抜け出すと、続いた桑原が逆転。うれしい記念初優勝を飾った。

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