• 第60回朝日新聞社杯競輪祭11/20〜11/25

後記 GⅠ 小倉 11/20

初代夜の競輪王に輝く

浅井康太

浅井康太

決勝優勝写真
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 「久々すぎてG1を獲る感覚を忘れてた」
 2度目のタイトルを制覇した11年9月のオールスター以来、7年以上ぶりのG1優勝。こう振り返った浅井だったが、もちろん“飛び方を忘れた”わけではなかった。15年、昨年と2度のグランプリ(GP)王者にも輝き、今年も記念3VとG1表彰台で賞金を積み重ねて8年連続8回目のGP出場をシリーズ前に確定させていた。
 「ダービーと同じ6日間の戦いプラス、今回は5走だった。体力がいるレースだったけど、普段のトレーニング量が増えているんで、その結果が出たのかなと感じてる」
 ナイターで初めてのG1は、6日制のサバイバルシリーズ。特選シードがなくなりS級S班の浅井といえども一次予選からのスタートを余儀なくされた。気の抜けない戦いだったが、終わってみればオール連対。豊富な練習量に裏付けされ、高いパフォーマンスが約束される浅井にとっては、当然の結果だったのかもしれない。
 決勝は脇本の番手を弟デシの柴崎に任せて、浅井は3番手。究極の判断が迫られる展開だった。
 「平原さんがいいスピードで来て、自分は内を締めとかなきゃいけなかった。(柴崎)淳君が横に張りながら踏んだ感じもあったけど。そのなかで平原さんが淳君を放り込んだ感じになって、自分はヤバいなと思った」
 太田の上昇に前受けの脇本が突っ張って、流れは脇本ラインに向いた。4番手からまくった平原を番手の柴崎がけん制するが、平原に押し込まれる。浅井は一瞬の判断で平原にコースを塞がれる前に、柴崎の内を突いて直線勝負。ゴール寸前の最後のひと伸びで脇本を交わしG1、3連覇を阻んだ。
 「(最終)4コーナーを回って、結構キツかった。なんとかハンドルを2、3回投げた感じだった。年末(のGP)に向けてワッキー(脇本)を抜くか、もしくはまくれるように。いままで通りしっかりトレーニングに励んで、競輪に向き合っていきたい。それでお客さまの期待に応えられるように。2連覇で3回目(のGP優勝)を達成できるように、日々努力をします」
 GPチャンピオンジャージを身にまとっては、初めてのG1制覇。連覇がかかるGPは脇本との別線が濃厚だが、最高の形で大一番を迎えられることは間違いない。
清水がGP滑り込み
 赤板からの突っ張り先行に出た脇本は惜しくも2着。G1、3連覇こそ逃したが、完全にレースを支配した内容に評価が下がることはない。
 「突っ張ることは半分くらい考えてました。太田がなめて押さえてきたし、もう自分の距離だと思って自信をもっていきました。自分のペースに持ち込めたんで、僕のなかでは納得はしています。今後の課題も見つかったので、グランプリに向けてしっかりやっていきます」
 最終3角から外をまくり追い込んだ清水が3着に届いた。賞金ランクで原田研を逆転。最後の枠に滑り込んで、初のグランプリには夢見心地だ。
 「(GP出場が決まって)本当ですか。ちょっと言葉が出ないです。太田が早めに切るかなと思ったけど、行かなくてヤバいなと思いました。アタマまでは厳しいかなと思ったけど、あきらめずに踏もうと。良く伸びてくれましたね。ただ、準決の方がキツかった。決勝の方が伸びた感じがありました」
 脇本の番手を回った柴崎にとっては、願ってもない流れ。しかしながら、初めてのG1ファイナルは4着に終わった。
 「決勝の舞台は面白いですね。経験不足が出たんですかね…。(最終)2コーナー過ぎは夢をみましたよ。自分では余裕もあったし、このままならゴボウ抜きかなって。浅井さんに内からこられて正直、腰砕けになってしまった。でも、あきらめずに踏みました。それでも3着までには入らないとダメですよね」

Race Playback

レース展開9
太田の上昇に脇本が突っ張って先行策浅井が瞬時の判断で柴崎のインを突く逃げ切り図る脇本を浅井が交わして優勝

レース経過

誘導員 : 北津留翼

 やや見合ったスタートから浅井、脇本が誘導員を追い、周回は脇本-柴崎-浅井-平原-諸橋-菅田-太田-香川-清水の並び。 赤板前から太田が上昇するが、前受けの脇本は1コーナーから誘導員を下ろして太田を出させない。太田があっさりと車を下げると、一度ペースをスローに落として打鐘。最後方だった清水が内から7番手に上げ、下げた太田は8番手に置かれてしまう。脇本はホームから徐々にペースを上げ、逃げ切り態勢を築こうとするが、そこに2コーナーから平原がまくりで襲いかかる。バックで柴崎の横に並びかけると、これを柴崎がブロック。しかし、一度で止めきれず2センターでも平原とからむと、3番手の浅井が空いた内に切り込む。脇本との車間を詰めた勢いで外に持ち出すと、粘る脇本をゴール寸前でとらえて平成23年8月のオールスター以来、自身3度目となるG1を制した。逃げた脇本は惜しくもG1戦3連覇ならず。3コーナーまくりで3着に入った清水は賞金ランキング8位の原田研太朗を逆転。見事にグランプリ最後の切符を手に入れた。

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