• 前橋競輪場GⅢナイター10/14〜10/17

後記 GⅢ 前橋 10/14

宿口陽一がG3初制覇

宿口陽一

宿口陽一

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 山田諒をとらえて先頭でゴールを通過した宿口陽一に、阿部大樹、武藤龍生、同県の後輩たちが肩を叩いて祝福する。ウイニングランの1周、ホーム手前で宿口が右の拳を突き上げてファンに応えた。
 「高松宮記念杯の時は達成感がなかったけど、今回は後輩2人に任されて、2人も喜んでくれてうれしかった。後輩2人に感謝しかない」
 S級でF1を6度の優勝しかなかった宿口が、6月の高松宮記念杯でアッと驚くタイトル奪取。G2、3を飛び越えてのタイトル制覇には、同県をはじめ関東勢の多くの仲間が喜んだ。その宿口が、後輩への感謝を口にして汗をぬぐった。
 寬仁親王牌を直前に控えた今シリーズは、S級S班は当然ながら不在。自身にかかる重圧も小さくはなかった。地元、関東地区での開催で、4日間のシリーズをけん引した。
 「ずっと(4日間メインの)12レースを任されていて緊張感もあった。昨日(準決)は地元勢に任されていて決まらなかったけど、出し切れたんで動き自体は良かったと思う。自分のなかではいい開催だった」
 同県の後輩2人に託された決勝は、単騎の3人がいる山田との実質2分戦。人気を背負ったが、たやすいメンバー構成ではなかった。
 「(山田と自分の)3対3対に単騎3人でやりづらいレースだった。3人が力を合わせて勝てたのでうれしいです。伊藤(成紀)さんの動きもある程度想定していたし、対応はできたけど、山田君も強かった」
 単騎の伊藤が大ガマシを打って、番手から追いかける山田に流れが向いた。が、最後は宿口がねじ伏せてG3初制覇を遂げた。
 「このあとは競輪祭に向けて調整して、グランプリに向けて過ごしていきたい。自分にできることをして、12月を迎えられたらと思います」
 自力でのG3制覇。宿口にとっては、1つの通過点だが、11月の競輪祭、そして年末の大一番に向けて自信になったことは間違いない。

 打鐘で単騎の伊藤のカマシを受けた山田諒は、車間を空けて番手でタイミングを計る。詰める勢いで宿口を合わせたかに見えたが、宿口の底力に屈した。
 「悔しいですね。本当それだけですね。(最終)ホームで車間が空いて詰める勢いでいけたんですけど、宿口さんが一枚上でした。自分にとっては最高の展開になったので、これで勝てないのは力負けですね」

 埼玉ワンツーこそならなかったが、3着の阿部大樹は宿口をたたえてシリーズを振り返る。
 「伊藤さんが行くのも想定していたけど、結果的に苦しい展開になってしまった。自分は(宿口に)付いていくことだけに集中していました。(最終)3コーナー過ぎからコースを探したけど、結果的に付いていって良かった。今シリーズは自力も出せたし、自転車も良かった。平原(康多)さんに外々を踏んで来いと言われていたので、それができた。ただ、陽一さんの後ろに付いていて、力の差を感じました」

Race Playback

レース展開4
 5番手からまくった宿口陽一選手が、ゴール前で抜け出して優勝。山田諒選手が2着、宿口選手をマークした阿部大樹選手が3着。

レース経過

誘導員 : 金子真也

 宿口陽一-阿部大樹-武藤龍生の埼玉勢が前団に構える。齋藤登志信、田中誠、山田諒-久米良-友定祐己に単騎の伊藤成紀が最後方でレースが流れる。 山田は青板の1センターから動き出して3コーナーで先頭に立つ。山田ラインの3車で出切る。宿口が4番手に入り、ペースが落ち着いて赤板を通過する。一本棒の9番手にいた伊藤が、1センターから大ガマシ。打鐘で主導権を奪い、車間が空いて山田が追いかける。最終1センターで5番手の宿口が、外に持ち出して踏み込む。山田が3コーナーで伊藤を交わし、宿口が迫り直線へ。両者のまくり合戦は、宿口が山田をとらえてV。2着に山田、宿口マークの阿部が3着。

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