• 奈良競輪場開設71周年記念春日賞争覇戦2/10〜2/13

後記 GⅢ 奈良 02/10

ラインの力で松浦悠

松浦悠士

松浦悠士

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 ラインの力が個の力を上回り、中四国5車結束の3番手から松浦悠士が昨年12月広島以来、14度目のG3優勝をつかんだ。
 石原颯を先頭に5車で連係した中四国勢。復帰したばかりとはいえ、脇本雄太を倒すには結束することが最善の策だった。石原が赤板ホームから誘導を降ろして全開で駆け、別線は巻き返しにいけるタイミングがない。宮本隼輔は吉田拓矢、脇本が仕掛ける前に最終2コーナーから番手まくりを打つ。中団の吉田も、脇本でさえも仕掛けられない。完全に中四国勢がレースを支配した。
 「(脇本を)意識し過ぎず、慌てずに、石原君には残り2周半から駆けるとかじゃなくて、落ち着いていってほしかった。石原君のカカリがすごくて、さすがに来れないだろうなと思っていました。(番手まくりに出るのは巻き返しが)来てからでは遅いと思っていました。宮本君を残せるかは自分の判断だった。宮本君のカカリがよくて強かったですね」
 4コーナーを絶好の態勢で回ってきた松浦が宮本を差し切って優勝。吉田-宿口陽一のSSラインと、脇本-古性優作の近畿最強ラインに何もさせずにつかんだ優勝は、いよいよ始まる今年のG1戦線に向けても大きな意味を持つ。
 「まだ2月なんですけど、やっと勝てたっていうのがある。去年や、一昨年は一発目(の記念)で獲れたので。やっと獲れたなって気はしてる。ずっとよくないって言われていたし、結果を出さないとと思っていた。吉田君と脇本さんはG1の決勝で当たる自力選手。そういう人を相手にワンツーが決まったってことは特別でも自分たちの競輪ができる。ライン5車で力を合わせて勝てたのがよかった。準決からフォームがバチッと決まって、ハンドルの握り方だったり、乗り方だったりが決まった。和歌山記念から右肩上がりで来れている。(準決で)自分の信念を曲げてでも勝ち上がった意味があった」
 次走は取手での全日本選抜競輪。4度目のタイトル戴冠へ。「グランプリを獲って賞金王」を目標に掲げる松浦の22年がいよいよ始まった。

 最終2コーナーから番手まくりに出た宮本隼輔が2着で、松浦とのワンツーが決まった。
 「もう全部、石原君のおかげです。自分は何もしていないので。自分でもどこから踏んだかわからないくらいキツくて必死でした。いい追加になりました。自分の脚的にはまだまだですけど、ラインのおかげです」

 吉田拓矢は初手は後ろ攻め。中団の脇本に追い上げて位置は取ったが、最終バックからの仕掛けで3着に入るのが精一杯だった。
 「思っていた並びとちょっと違って後ろ攻めになってしまった。押さえにいっても石原君は突っ張るだろうし、脇本さんの所に追い上げれば引いてくれるかなって思ったので。ちょっと車間が空いてしまいましたね。空けたんじゃなくてニュートラルに入れようと思ったら石原君のカカリが良かったです。もう少し早く仕掛けたかったですけど、脇本さんも来ていなかったですし、難しかったですね」

Race Playback

レース展開4
 中四国勢の完璧な連係の前に別線勢は手も足も出ず。最終2コーナー番手まくり宮本隼輔選手を、ゴール寸前で松浦悠士が差し切りV。別線勢は吉田拓矢選手が3着に入るのがやっとだった。

レース経過

誘導員 : 栗山俊介

 スタートで内枠3車が前に出るが、柏野智典がいち早く誘導員の後ろを占めた。したがって石原颯-宮本隼輔-松浦悠士-柏野-西田雅志の中四国ライン5車が前を固める。これに脇本雄太-古性優作の近畿勢が続き、吉田拓矢-宿口陽一の関東勢は後方に待機。 青板で吉田-宿口が踏み上げて脇本に並びかけると、脇本はあっさり車を下げて6番手が吉田、脇本は8番手となった。そのままの態勢で動きはなく、赤板で正攻法の石原が誘導員を交わして先行態勢に入る。石原はぐんぐんとペースを上げていき、石原-宮本-松浦-柏野-西田の中四国勢が完全にレースを支配。2車身車間が空いて6番手に吉田、更に2車身離れて8番手に脇本で打鐘を通過。ハイペースで飛ばす石原に対し、吉田、脇本ともに反撃できず、最終ホームでも態勢は変わらない。最終2コーナーを立ち直ったところから番手の宮本が自力に転じる。吉田はバックから仕掛けるが前との差はあまり詰まらず、脇本は相変わらず8番手のままで動けない。4コーナーで早めに踏み込んだ松浦がゴール前で宮本を交わして優勝。宮本が2着に粘り、じわじわとまくり上げてきた吉田が柏野を抜いて3着に入った。

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