北日本が５車で結束し、レースが始まると前団を占める。こうなると徹底先行がいない他勢は苦しい。赤板で６番手の松川高大が上昇するが、嵯峨昇喜郎は突っ張る気満々で出させない。松川も諦めずに踏み合い、打４コーナーで今度は内をキメようとするが、捌けず後退していく。単騎の岡田征陽が３コーナーから仕掛けていくも、４コーナーを絶好の番手で迎えた坂本貴史が直線で一気に抜け出した。
　「嵯峨君に全部任せていて、最初は前取ってと。よほどなら引いてカマす作戦だろうと思っていました。そうなったら誰か粘ってくるだろうし、あんまり外競りの経験はないけど、番手を守って競り勝てば優勝があるかなと。でも、脚見せ終わってから嵯峨君が突っ張る雰囲気だった。突っ張ってくれた気持ちは嬉しかったです。あそこまでいったら優勝するしかないなと思っていました。最高のラインのおかげで優勝できました。これでＧ３初優勝です。（今後の目標は）こうやって自分がラインに助けて貰ってＧ３が取れたので、北日本の自力型としてもっと存在感を出していけたらいいなと思います」
　北日本４番手を回っていた＊佐藤友和は最終４コーナーから外を踏み込む。勢い良く坂本に迫ったが、２分の１車身届かず2着となった。
　「突っ張りかカマシで相手次第でしたね。松川君が粘られるのも考えていた。（松川が）カンナ削りしようとしている感じがしたからみててどうしようかと。体調よくないと思って（開催に）入ったけど、番組に恵まれて好成績を残せた。これで競輪祭出場とダービーが見えた」
　３着には北日本ライン３番手だった新山将史が食い込んだ。最終４コーナーから内に進路を取り、中割りを狙うも割り切れず、最後は佐藤に伸び負けた。
　「嵯峨に全て任せて突っ張りとカマシの両面策で強気に攻めてくれた。（松川に）カンナ削りされると思って踏み遅れないように気を付けていた。貴史さんが車間を切って２センターぐらいで詰めていく勢いで行ったから外を踏むのは無理だと思って中にいった。終わってからＶＴＲをみたら中割りうまくなかったですね。勉強しないと。貴史さんが優勝してくれて自分のことのように嬉しい。４日間、悪くはなかったと思うけど、修正、細かい所はまだまだある。追走とか中割りとか、ブロックの仕方だったり。北日本にはうまい追い込み選手がばかりだからそこに近づけるように。その人たちから吸収していきたい」