• 四日市競輪場開設71周年記念泗水杯争奪戦11/10〜11/13

後記 GⅢ 四日市 11/10

番手きっちり守澤太志

守澤太志

守澤太志

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 外を鋭く踏み込む浅井康太、内を突いて中割りを狙った坂口晃輔。四日市バンクの長い直線で強襲を狙った地元勢との攻防を制した守澤太志がゴール線を一番に駆け抜けた。
 レースは、後ろ攻めから上昇してきた小原太樹が中部ラインの外でフタをする形となり、坂井洋が赤板過ぎに判断良く前に叩いて出てペースを落とす。3番手の位置で古性優作と小原でもつれる展開となり、橋本優己が後方からカマシを狙ったが、坂井が気配を察知して一気に踏み込み主導権を渡さなかった。
 「スタートは前の方で内枠の2人を見てどこ取るかでしたけど、理想の位置でした。南関勢は(中部勢の外で併走でなく、前団を)切ってくれると思ったけど、坂井君が判断良く切ってくれて良かった。そこからは橋本君がいつくるかでしたけど(坂井が)駆けそうだなと」
 最終1コーナーで守澤が橋本を張って外に浮かせ、浅井は俊敏に守澤の後ろに切り替えてチャンスを窺う。最終的に5番手の位置を確保していた古性がバックから3コーナーにかけてまくり上げたが、浅井が合わせて踏み込む。車間を空けて待ち構えていた守澤は内、外を警戒しながら無我夢中で抜け出した。
 「後ろに浅井さんがいるのはわかっていたからどうにかしたいなと。(浅井をもって)いき過ぎると内にくると思っていたけど、こられましたね。隙がない。(ゴール前は)内外いて、いかれたかと思って(自分が優勝したかは)わからなかった。敢闘門に入ってからも誰?って感じだったので、ガッツポーズは控えました」
 今年は5月の全プロ記念競輪で優勝しているが、7月はあっせんしない処置を受け、8月の復帰後もグレードレースの優勝から遠ざかっていた。今年最後のG1となる競輪祭を前に昨年6月の別府記念以来となる自身3度目の記念制覇を達成したのは大きい。
 「初日から凄い声援をお客さんから頂いていたから、凄く嬉しい。調子はあまり良くないと思っていたけど、前回の親王牌で勢いづいたというか。そこで勢いをもらったと思う。今年は記念で成績を残せず情けなかったけど、最後の最後で獲れて良かった。坂井君の頑張りに尽きますね。自分は差し脚が持ち味ですけど、連日、オッズを見てビビッていました。グランプリに出るのが1年間の目標だったので、ここで賞金を上積みできたのは大きい。競輪祭で成績を残してグランプリにいきたい」

 目標の橋本優己が不発の窮地にも冷静に対応して守澤の後ろにスイッチした浅井康太。最終バック5番手の位置から鋭くまくってきた古性優作の仕掛けに合わせて外を踏み込むも、守澤に張られてしまい4分の1輪差で準V。
 「古性君もそうですけど、みんな巧いですし、いいレースをしてきますよね。小原君にフタをされることは想定していなかったんですけど、そのあと前々に踏んでいったんで。(橋本が外に浮いてしまい、守澤の後ろに切り替えたが)脚の感覚は悪くなかったですし、(古性の仕掛けに合わせて踏む形になってしまったが)もう少し自分のタイミングで踏めれば良かったですね」
 自身5度目となるホーム記念制覇のチャンスを逃した悔しさを噛みしめながらも、気持ちは競輪祭へと向いている。
 「今回は結果的に勝てなくて悔しい思いをしたので、次の競輪祭は喜びに変えられるように。競輪祭は予選からこういういいメンバーでの戦いになると思うので、結果を出せるように頑張って、応援してくれているファンの方たちの期待に応えられるように」

 浅井を追走していた坂口晃輔は冷静に守澤の動きを見ながら最終4コーナーで中を割って突き抜けようと試みたが、失敗に終わって3着まで。
 「やってもうたっすね…。勝ち方がわかってないっすね」。悔しい気持ちが口を突いて出る。
 「最後は守澤さんが浅井さんを持って行ったときに自分も守澤さんを持っていけばアンコにして(浅井と)内外でゴール前勝負ができるかなって思ったんですけど…。誰かに入ってこられるのが嫌だったんで、ギリギリまで内を締めながら、空くまで待って入ってもまっすぐ突き抜けられたかと言えばなんとも言えないですよね。そこは坂井君の退避具合にもよると思うんで」
 何度、ゴール前のシーンを思い起こしても悔しさがこみ上げてくるが、課題は明確になった。
 「(佐藤)慎太郎さんだったらもっと巧く割っていましたよね。優勝に近いところにまではいけたけど経験値が足りなかったっすね。でも高いところまではこれていると思うので。悔しいですけどいい経験になりましたね。悔しいですけど、これを次の競輪祭につなげられれば」

Race Playback

レース展開4
絶好の番手回りを生かし、外と内に別れて激しく迫る浅井康太選手、坂口晃輔選手の地元勢を振り切って今年の記念初優勝を果たした守澤太志選手。

レース経過

誘導員 : 西浦仙哉

 号砲が鳴ると内枠の古性優作、浅井康太、守澤太志が飛び出し、古性が誘導員の後ろを占める。古性-村田雅一、橋本優己-浅井-坂口晃輔、坂井洋-守澤、小原太樹-福田知也の並びとなった。 青板過ぎの2コーナーで小原-福田がゆっくりと踏み上げる。小原は橋本の外に並びかけ、近畿勢の後ろは並走になった。南関勢に続いていた坂井は赤板で上昇を開始し、1センターで正攻法の古性を交わして前に出た。坂井-守澤、古性-村田、5番手は内に橋本、外に小原で相変わらず並走していたが、2コーナーを立ち直ったところから小原が内に進路を取る。これに気付いた古性が小原を締め込み3番手をキープした。ようやく単独となった橋本はジャンでスパート。好スピードで前団に迫るが、坂井も目いっぱい踏み込み応戦する。橋本は守澤の外までが精いっぱいで、最終ホーム過ぎの1センターで守澤に捌かれて力尽きた。古性はペースが上がった時に守澤と車間が空いてしまい、坂井-守澤の後ろは浅井-坂口が続いて最終2コーナーを回る。最終バック線で古性がスパートするが、2センターで浅井に合わされて失速。浅井はそのまま前に踏むと、守澤は浅井をけん制してから坂井を交わしにかかる。坂口は守澤と坂井の中に突っ込み、ゴール前は内に坂口、中に守澤、外に浅井で3車が横一線に。守澤は浅井の強襲を4分の1輪凌いで今年の記念初Ⅴをゲット。2着が浅井で、坂口は3着まで。

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