• 高知競輪場 第38回読売新聞社杯全日本選抜競輪2/23〜2/26

後記 GⅠ 高知 02/23

連覇で今年もGP一番乗り

古性優作

古性優作

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 グランプリでのワンツーから流れるように新年を迎えて和歌山記念、豊橋記念、奈良記念。今年だけですでに5回の連係ですべてワンツーの脇本雄太と今年最初のG1を迎えた。
 「だんだんとお互いの呼吸が合ってきている」と、別線に隙を与えることなくゴール勝負を演じた準決のあとに、古性優作が振り返った。
 今シリーズも決勝で三度の番手回り。脇本の組み立てがインプットされているはずの古性でさえ、驚いた脇本の踏み出しだった。
 「(脇本の)後輪だけに集中していたけど、あんだけ長い距離をいくと思ってなくてビックリした」
 打鐘の2センター付近から仕掛けた脇本が、新田祐大をのみ込んで先頭に立つ。脇本の加速に新田が遅れて、古性まで出切ったかに見えたが、新田の車輪がわずかに古性の後輪に掛かっていた。インから盛り返した新田が古性に体を併せた。
 「高知は内がちょっと有利なので、ヤバいなと思ったんですけど。しっかり外に差し込んで回ってから、対応できたかなと思います」
 最終2コーナーでは前に出て完全決着。明け渡すわけにはいかない脇本の番手をキープし、頼れる脇本の後ろから別線との間合いを計った。
 「僕も結構、脚を使ってた。後ろから(別線が)上がってきたのもわかったんですけど、踏ませてもらった。僕もいっぱいだったんで、(脇本を)抜けるかわからなかったんですけど」
 絶対に譲れない位置。そこを守っただけで気を緩めることなく、直線で思い切って踏み込んだ。脇本を交わすと、守澤太志、三谷竜生らを退けて優勝。
 「去年(の全日本選抜の決勝)は近畿で僕1人だけでしたし、今年は脇本さんと(三谷)竜生さんと乗れてうれしかった。走る前から安心感もありました」
 昨年とは違うシチュエーションのなかで全日本選抜を連覇。脇本のスケールの大きさを感じた決勝でもあった。
 「脇本さんの後ろはうれしい思い出もありますし、悔しい思い出もあります。連係してて選手としての格の違いを感じますし、味方なんですけど、あらためて競輪選手として違いを感じました」
 近畿地区は昨年、村上義弘(京都・73期、引退)という大きな柱を失った。それだけにV奪取をしても、慢心してはいられない。
 「村上さんがいなくなって、あらためて近畿の選手として、真価が問われていると思います。そのなかでしっかり結果も出せたんですけど、本当にこう目の前のレースを一生懸命走って、期待に応えられるように頑張っていくだけだなと思います」
 真っ先に手にしたグランプリの出場権。「一発目のG1で権利を取るとすごく精神的にも楽ですし、いまはとにかくホッとしています」と、一瞬だけ表情を緩めた古性だが、近畿勢を背負う覚悟で“一走入魂”を受け継いでいく。

 古性に踏み負けた新田が後退すると、守澤太志は最終3コーナーで三谷後位に切り替える。浅井が外にいてコースはなく、直線で古性と三谷の間を強襲した。
 「(脇本が)もうちょっと遅く来ると思ったんですけどね。新田君も気づくのが遅れていました。僕が三谷君をさばいていれば、結果は違ったのかなって思う。新田君も下がってきていていましたし、やっぱりその前にさばいておくべきでした。成田(和也)さんにチャンスがなくなってしまった」

 番手以上に困難にも思える脇本ライン3番手だが、踏み出しにも対応した三谷竜生が古性に続く。古性との直線勝負かに思われたが、守澤に弾かれて3着。
 「(脇本の3番手で)先踏みすると離れますよね。自分はもう古性君だけを見ていた。古性君が踏んだら踏もうと思っていました。結構、併走が長かったのでキツかったですけど、それでも耐えられたので良かったです。もう(古性と)ゴール勝負かなって思っていたんですけどね。守澤さんはもう来られないと思っていましたし、油断してしまいました。あの展開ならしっかり2着に入らないと」

Race Playback

レース展開4
 脇本雄太選手の番手を守った古性優作選手が追い込んで優勝。守澤太志選手が強襲して2着、3着に三谷竜生選手。

レース経過

誘導員 : 篠原龍馬

 スタートは新田祐大が取り、新田-守澤太志-成田和也の北日本勢が前を固める。単騎の浅井康太が続き、吉澤純平-香川雄介の即席ラインまでが中団。脇本雄太-古性優作-三谷竜生の近畿勢が後攻めとなった。 赤板を迎えても動きはなく、初手の態勢のままでジャンが入る。前とやや車間を空けていた脇本は2センターからスパート。気付いた新田も誘導員を交わして懸命に踏み込むが、4コーナーを立ち直ったところで脇本が先頭に躍り出た。新田は3番手まで下がりかけたが、前輪が古性の後輪にかかっていて、脇本の番手まで盛り返した。脇本の後ろはイン新田、アウト古性で激しい取り合いとなったが、2コーナーを立ち直ったところで古性が競り勝つ。脇本-古性-三谷の近畿勢が主導権を握って最終バックを通過、浅井がまくり上げるも脇本のかかりが良く、なかなか前団に迫れない。2センターで守澤が近畿勢の後ろにスイッチして最後の直線へ。ゴール前で脇本を交わした古性が昨年に続き大会連覇を達成。古性と三谷の間に突っ込み鋭く伸びた守澤が2着に入り、3着は三谷。

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