• 前橋競輪場開設73周年記念 三山王冠争奪戦6/29〜7/2

後記 GⅢ 前橋 06/29

単騎でも展開をメイクしてV奪取

古性優作

古性優作

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 今シリーズ2度目となった単騎でのファイナル。初日特選では前団の隊列がある程度、短くなっていたにもかかわらず7番手まくり不発。クセの強い前橋バンクの特性をインプットし、現状の自身のコンディションから優勝の答えを導き出した。
 「初日に力勝負をしてダメだってわかった。(決勝は)しっかりと組み立てることでしか勝機は見出せないと思っていた」
 最初の大きな勝負のポイントが訪れたのは、青板バックの誘導退避線。古性優作が眞杉匠の突っ張りを阻止するように、勢い良く飛び出してレースを自ら動かした。赤板を先頭で通過し、接触のアクシデントがあり平原康多が眞杉との連結を外す。古性は1車の眞杉を受けて、番手でレースは流れた。
 「とにかく初日の失敗をしないように。初日と同じような展開になった。初日の反省をふまえてでした。出たあとはどのラインが飛んで来るかわからなかったけど、しっかりと組み立てられた」
 眞杉の番手に入ったまでは良かったが、平原を失った眞杉のペースはなかなか上がらない。古性の後ろでそのタイミングをうかがっていたもう1人の単騎の松本貴治が、最終ホーム手前から奇襲のカマシを打った。
 「松本君にしっかりとスイッチして、そのまままくっていけたら100点でしたね。内容的にはあんまりでした。自分の場合は体調が悪くても、組み立てでカバーできると思っている」
 松本のカマシを眞杉が追いかけて古性は3番手。最終3コーナー過ぎに外に持ち出した眞杉の内から、古性がシャープに抜け出して優勝を遂げた。
 「(最終)3コーナーからは外を踏める余裕がなかったので、どうなるかなと思った。今回は勝ち上がりの段階で上杉(嘉規)君が頑張ってくれたんで、自分の力だけじゃなかった」
 二次予選でワンツー、さらに準決で風を切った同地区の後輩をねぎらった。前回の高松宮記念杯では4連勝での優勝も、一次予選の1走目は落車に見舞われた。それだけに万全ではないなかでの今シリーズだったが、タフなメンタルと並外れた修正力で優勝につなげた。
 「目指しているところはもっと高いところにあるし、今日みたいなレースでは通用しない。理想のレースをしっかりと求めていきたい」
 全日本選抜、高松宮記念杯を制して、今年すでに2冠。今シリーズのデキでは、足りないことは誰よりも自身が認識している。それでも結果を出せるだけの底力と近畿を背負う責任が、古性を優勝に導いたのだろう。

 最終ホーム手前で前の松本が仕掛けるも、佐々木悠葵は反応できない。その後は古性の後ろの4番手から、直線で外を追い込んだ。
 「(眞杉の)突っ張りだと思っていた。それしか考えてなかった。それで緩むところはわかってたので、仕掛けられればと。古性さんの動きが予想外でした。やっぱりうまいですね。そのあとも松本さんに付いていけなかった。(松本を)眞杉君が突っ張るかと…、甘かった」

 古性の後ろからレースを進めた単騎の松本貴治だったが、最終ホーム手前でイチかバチかのカマシを断行。古性、佐々木にはつかまって3着も、流れ込みよりは数段、価値がある。
 「残り1周で前が緩んでたんで仕掛けないとなって。踏み出しは良かったけど、(最終)バックではスカスカしたんで、(後ろが)来ないでくれって。あそこのワンチャンスしかなかった」

Race Playback

レース展開4
 単騎の古性優作選手が、3番手から鋭く抜け出して優勝。外を追い込んだ地元の佐々木悠葵選手が2着、3着に松本貴治選手。

レース経過

誘導員 : 田村真広

 号砲が鳴ると眞杉匠が出て誘導員を追う。初手は眞杉-平原康多、佐々木悠葵-木暮安由-小林大介、深谷知広-内藤秀久、古性優作、松本貴治の並び。 青板前から深谷-内藤が踏み上げ、古性、松本も続く。1センターで深谷が眞杉に並びかけ併走が続くと、バックではその外を踏んで古性が先頭に立った。古性、松本、眞杉-平原の態勢に変わり、古性は後方を警戒しペースが緩む。赤板1コーナーで眞杉が仕掛けるが、平原は佐々木と接触し後方に後退。ジャンで眞杉が古性を叩き切ると古性は番手にハマり、松本、佐々木-木暮で通過。車間の空いた後方からは深谷-内藤が一気に仕掛け、前を追う。最終ホーム手前から松本が3番手からスパート。最終バックは松本、眞杉、古性、佐々木-木暮で、まくり上げた深谷は3番手の外まで迫るも後退。3コーナーからは眞杉が仕掛けるも車は進まず、冷静に眞杉の内を突いた古性が直線で鋭く伸びてV。眞杉の外を追い込んだ佐々木は届かず2着。逃げた松本は3着に粘った。

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