• 小田原競輪場 施設整備等協賛競輪GⅢ10/12〜10/15

後記 GⅢ 小田原 10/12

まくりVで波乱の決着

宿口陽一

宿口陽一

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 圧巻の内容で勝ち上がってきて、地元で人気を集める北井佑季との実質的な2分戦。関東3人のラインで、宿口陽一が先頭を務めた。
 「最後、京王閣で(G3を)獲った時は、自分の仕事を全うできなかった。今日はラインの先頭で、自力勝負をすることができたんで良かったです」
 番手まくりを打った平原康多の内から抜け出して優勝した昨年11月の京王閣記念ことが、どうしても宿口の心には引っ掛かっていたのだろう。真っ向勝負でのV獲りに、宿口は目を細める。
 「(周回中に)前だったら粘るっていう選択だった。中団だったらカマすか、単騎の動きを見ながらと。そしたら北井君が早い段階から踏んでいったので、流れが向きました」
 初日特選から3走すべて前受けからの突っ張り先行に出ていた北井は、決勝も前団に構える。別線の動きはないなかで、北井は青板のバック過ぎに誘導を交わして踏み上げて風を切る。宿口は抜かりなく中団で、じっとチャンスうかがった。
 「初日に北井君に(まくりを)合わされて、(仕掛けて)行く恐怖があったけど。自分が行かないと、後ろに2人にもチャンスがない。腹をくくって行きました」
 同じく4番手から仕掛けた初日特選は、まくり不発でシンガリに散った。そのイメージを振り切って、最終1コーナーからペダルに力を込めて踏んだ。
 「大森(慶一)さんとからんで、このくらいなのかなと思った。そしたらまた(最終)2コーナーから伸びていったんで良かった」
 北井ライン3番手の大森のブロックでスピードの鈍った宿口は、あきらめることなく踏み続けて大塚玲のけん制も乗り越えた。あと宿口の前を走るのは、北井だけだった。
 「初日に勇気をもって仕掛けられたのが、今日に生きた。今日が一番体も動いたし、反応も良かった。後ろを固めてくれた2人のおかげです」
 逃げる北井を直線の入口でとらえると、後続の強襲を振り切って優勝。2月の豊橋F1以来、今年2度目のV奪取がG3だった。
 「(今年の)前半は自分でレースを組み立てて、しっかり自力選手として走れた。けど、落車して低迷していた。これからもできることを精いっぱいやっていきたい」
 グレード初制覇は一昨年6月の高松宮記念杯。G2、3を飛び越えてタイトルホルダーの仲間入りを果たした30代後半の“シンデレラボーイ”だったが、翌年のS級S班では思うようなパフォーマンスが出せなかった。
 「去年はラインに迷惑を掛けてしまって辛い時期もあった。平原さんから厳しい言葉をもらって、いまの自分がある。変わらずにラインのためにやっていきたい。今年最後にG1、競輪祭があるので、そこで爪あとをしっかりと残したい」
 高校時代から平原の背中を追い続けてきた宿口の姿勢は、いまも変わらない。埼玉の仲間、そして関東地区のため。その思いを継続しながら、このG3制覇で、少しは肩の荷を下ろしてもいいのかもしれない。

 山本伸一は周回中、単騎3人のなかでは一番前の7番手。最終2コーナーからのまくりで2着に届いた。
 「(周回中は)北井君ラインの4番手を取りたかったけど、自分は9番車だったんで厳しかった。僕から動くよりも(脚を)ためた方がいいかなと。あそこでは仕掛けようと決めてた。自分の踏んだところと宿口君の仕掛けが合って、乗り越えられなかったのは悔しいけど及第点かな。宿口君の位置を取れていたらチャンスがあったと思う」

 連日の伸びが光っていた大森慶一は、北井ラインの3番手。宿口のまくりをブロックしてから、前団の状況を見極めて追い込んだ。
 「北井君が誰も出させないように駆けてくれたけど、オーバーペースみたいな感じでしたね。単騎の久田(裕也)君の一発が来ると思って警戒してたんだと思う。(最終)3コーナーでは内はさすがに行けないから我慢して、そうこうしている内に2人(宿口、山本)に行かれていた。今日は誕生日だからもしかしたら、(優勝も)あるかと思ったんですけどね(笑)」

Race Playback

レース展開4
 4番手からまくった宿口陽一選手が、逃げた北井佑季選手をとらえて優勝。単騎でまくった山本伸一選手が2着、3着に大森慶一選手。

レース経過

誘導員 : 高木隆弘

 号砲が鳴ると外から大森慶一が飛び出して誘導を追う。初手は北井佑季-大塚玲-大森、宿口陽一-河野通孝-磯田旭、山本伸一、柴崎淳、久田裕也の並び。 青板1センター過ぎから北井が後ろの動きを確認し、誘導との車間を空ける。バックを過ぎると自ら誘導を交わし、後方を警戒しながらペースを上げていく。赤板を過ぎても隊列は一本棒のまま。北井は打鐘でさらに加速し、動きがないまま最終ホームを通過。1コーナーから4番手の宿口が一気にスパート。宿口は大森、大塚のけん制を乗り越えて北井に迫る。7番手に置かれた山本は2コーナーから宿口の仕掛けを追ってまくり上げる。直線に入り、宿口が北井をようやくとらえると、後続の追撃を振り切ってV。後方からスピード良くまくった山本が2着。北井ライン3番手から伸びた大森が3着。

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