• 別府競輪場開設73周年記念オランダ王国友好杯12/7〜12/10

後記 GⅢ 別府 12/07

底力を見せたまくりV

守澤太志

守澤太志

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 「状態はいいけど、自力でやって優勝できるとは思わなかった」
 優勝会見で守澤太志が、正直な胸中をこう吐露した。同じS級S班で同地区の新田祐大が、あろうことか準決で敗退。東日本地区で連係して準決でタッグを組んだ坂井洋は、自身が離れたミスで7着に沈んだ。1人での戦いかと思われた決勝だったが、ファイター内藤秀久が守澤に託して後ろを回った。
 「自分でやるはめになったのも、準決の自分のせいですし。まだまだなところがある。それなのに内藤さんが付いてくれるってことで気合が入りました」
 11月の競輪祭まで獲得賞金ランクで新S班の座を争ったが、4度目のグランプリはかなわず、来期からはS級1班に陥落。優勝からも遠ざかっていた。それだけに強気になれなかったとしても無理はなかった。
 「理想の組み立ては松本(秀之介)君(ライン)の3番手を取って早めにまくるのが自分のできることだと。(最終)ホームで(三谷竜生が)来ていたのを確認して、あとは自分のタイミングでまくるだけだなと。(押し切れるかどうかではなく)そこを行かないと終わっちゃう。仕掛けてダメな時に、また次を考えればって」
 赤板1コーナーで切った出た守澤が、思惑通り九州勢を受けて3番手を確保。そのまま松本の先行でレースは流れて、5番手の三谷が最終ホームから仕掛ける。1センターで三谷を弾くと、一呼吸置いて2コーナーまくり。逃げる松本を仕留めてのV奪取が、今年の初優勝だった。
 「(別府記念を優勝したのは)一昨年(6月)なんですけど、2連覇できたのはうれしいですね。(今年は)ここまで優勝できてなかったんで、不甲斐ない1年です。優勝しても、今年の分を取り返せる感じの成績ではなかった」
 2月の全日本選抜を準V、続くビッグ、当所でのウィナーズカップでも3着の表彰台。前半戦は大きく賞金を加算しながらも、5月の日本選手権で落車に見舞われ頚椎骨折の大怪我を負った。不本意な23年だったことは間違いないが、相性のいい別府で少なからず留飲を下げた。
 「今年の前半はタイトルを目標に頑張ってみたけど、全然、届かなかった。そんな器じゃないんだなって(笑)。いい思い出になりました」
 最後は自ちょう気味に静かに笑った守澤。これまでビッグ優勝こそないながらも、3年連続でS級S班を守ったのは紛れもなく超一流の証。来年はS級1班からのタイトル奪取で、「もう赤いパンツを目指すことはない」と言った自身の言葉をいい意味で裏切ってほしい。

 守澤マークの内藤秀久は、外の三谷と併走のまままくりに続く。大塚健一郎のけん制もあって、両者に挟まれながらも懸命に食らいついた。
 「最後は夢をみちゃいました。でも、(2着で)現実に戻りました。悔しさもあるんですけど、やった方ですね。(前の守澤の)縦横無尽に任せていました。松本君が駆けての先まくりが一番の理想だったんで、その形にはなった」

 前の松浦悠士が、最終2コーナーで内を進出。佐々木豪は苦渋の判断で連結を外して、バックから外を踏み込む。落車のアクシデントを避けて3着に繰り上がったが、松浦が落車だけに心中は複雑。
 「僕も(松浦と)一緒に内へ行ってたら、コケてたかコースがなかったと思う。キツくても、外を回すしかなかったですね。松浦さんに全部、任せていたんで、あとは僕の脚不足。(松浦は)グランプリの前だったので、落車だけはホンマなしでと思ってたんですけど…」

Race Playback

レース展開4
 守澤太志選手が、3番手まくりで九州勢をとらえて久々の優勝。流れ込んだ内藤秀久選手が2着。大塚健一郎選手が失格で、佐々木豪選手が3着に繰り上がった。

レース経過

誘導員 : 高橋義秋

 号砲が鳴ると浅井康太が誘導員を追う。周回中は、三谷竜生-浅井、松浦悠士-佐々木豪-渡部哲男、守澤太志-内藤秀久、松本秀之介-大塚健一郎で隊列が落ち着く。 青板3コーナーから松本が上昇するも、先に守澤が上昇し赤板で先頭に立つ。すると松本はすかさず前に飛び出す。松本-大塚、守澤-内藤、三谷-浅井、松浦-佐々木-渡部でジャンを通過。松本は更にペースを上げていく。最終ホーム過ぎに三谷がスパートするも、守澤のけん制を受ける。守澤は2コーナーからまくりを開始。3コーナー手前で松本を捕らえてからも守澤のスピードは衰えない。2センターでは大塚、松浦、三谷が接触し落車が起きるも、4コーナーを先頭で回った守澤は、内藤の追撃を振り切っての今年初V。2着には内藤が入り、松本後位から切り替えた大塚が3着に入るが失格で、松浦と連係を外すも大外を伸びた佐々木が3着に繰り上がった。

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