直線強襲で3度目の地元記念制覇
松本貴治
大挙6人が勝ち上がった四国勢は、準決と同じ2つのラインに分かれて犬伏湧也と石原颯で力勝負。ただ、他地区には初日特選から無傷で勝ち上がったS級S班の吉田拓矢、さらにはグランドスラマーの新田祐大までが単騎でスタンバイしていた。松本貴治は、石原とのタッグ。突っ張りを試みて森田優弥を阻んだまでは良かったが、スピードが一瞬緩んだ隙を逃さず別線の犬伏が強烈なカマシで襲い掛かった。
「(犬伏に)いいタイミングで行かれてしまって、石原君も脚を使っていたしキツいかなと思った」
打鐘3コーナーで犬伏が主導権を奪い、佐々木豪の追走。犬伏ライン3番手の和泉尚吾は付け切れずに、3番手に入った石原だったが前の2人との車間は大きく空いた。後方に置かれた吉田、新田に出番が巡ってくることはなかったが、松本にとってもチャンスといえるポジションではなかった。
「僕も余裕がなくて、最後はたまたまって感じだった」
最終3コーナー付近で石原が意地で追いつくが、タテ脚兼備の佐々木が犬伏の番手で絶好の展開。松本は、2センターで石原がわずかに空けたインを突いて追い込む。直線半ばで犬伏、佐々木をまとめて交わして、後ろの橋本強まで引き込むワンツー劇だった。
「周りのおかげで優勝できた。自分の状態はそこまでいいってわけじゃなかったけど、こうして結果を残せて良かったです」
終わってみれば、地元3人が上位を独占。ただ、6人が2つに分かれたライン形成には、葛藤もあっただろう。一昨年12月に次ぐ地元記念連覇は、4日制では誰も成し得てない3度目の松山記念優勝。8月には松山でのオールスターが待っているだけに、松本のリーダーシップが四国勢浮沈の鍵にもなってくる。
「連日たくさん応援してもらって、それが力になりました。応援してくれる人がいるので、その人たちのためにも、自分のためにも頑張りたい。より一層これから頑張っていこうと思いました。(四国は)強い自力選手がたくさん出てきて、責任のある位置を回るようになった。けど、力不足だと思う。(四国を引っ張っていくことを)自分は意識していないけど、周りからそう思ってもらえるように頑張りたい」
今年こそタイトルを奪取。四国の主軸の足がかりとしては、最高の地元記念連覇だろう。
石原ライン3番手の橋本強が、松本の立ち回りに対応して流れ込んだ。
「犬伏はあそこが行きごろだし、飛んでくるだろうなと思った。追い風に乗って、すごいスピードでいってた。(松本)貴治が吉田君を飛ばして、僕のコースを作ってくれたので追走できた。(脚のたまり具合は最終)バックくらいでは、もうひと踏みできるなって感じだった。(松本)貴治を全信頼して、後輪だけを見ていました。貴治が突き抜けてくれたので、僕も2着までいけた」
犬伏のカマシが決まり、願ってもない流れになった*佐々木豪は、伸びを欠いて3着。
「(犬伏との)息も合っていて付いていけたけど、和泉が付いてこれなかったのは予想外だった。石原君が離れていたし、ゴールまで追いつけないんじゃないかと。松本さんも持ち出せないんじゃないかって。(犬伏が)ゴールまでもつんじゃないかと思って、ちょっと早めに(外に)出して、(松本の)音も聞こえなかった。どうしてかなと思ったら、内から吸い込まれるように来ていたんですね。犬伏君が気持ちよくいってくれて、同級生が強いレースをしてくれたのに、獲れなかったのは僕の責任です」