S級カムバック2場所目でV
北井佑季
北井佑季は今年1月にあっ旋停止と自粛期間を経てA級1班として復帰した。今月4月に9連勝でS級に返り咲くと、S級では2場所目となった今回のG3開催でトップ選手が不在だったとはいえ、決勝ではファンの期待に応える1番人気を背負い優勝して見せた。
「このG3の追加をもらって、前検日の3日前だったと思うんですけど、気持ちと体の準備はできました。4日間、走って、日に日に良くなっていきました。疲労感が抜けていく感じがありましたね」と今回は追加で急遽参戦。前回の取手から中5日での参戦だったが、日に日に心技体がそろっていった。
レースは唯一ライン3車だった小畑勝広率いる関東勢が打鐘を目掛けて先制。最終ホームで中団が西田優大と纐纈洸翔で併走となったところで西田が落車。後方となっていた北井だが、動じることなく、2コーナーからまくり出る。別線にけん制する隙をあたえることなく乗り越えると、後続を突き放して圧勝した。
「小畑君がジャンで出て、(自分の)後ろにいた纐纈君がどうするのかでした。纐纈君が前に出るなら、すかさず仕掛ける準備はしていました。関東勢はラインが長かったですし、小畑君は積極的なので、小畑君が先行するかなとみていました。(最終ホームの)落車は落ち着いて見ていました。驚かずに対応できました。そこからも落ち着いて仕掛けられました。ホームが向かい風で、バックが追い風で、自分は後ろで風を受けず、うまくまくれたかなと思います。タイミングはよかったと思います。落車のあとに隊列が短くなって、纐纈君を乗り越えたところでいけるかなって思いました」
S級に復帰して2場所目でのG3制覇。北井自身はG3に出走できれば、優勝にも手が届く自信があった。
「S級に上がって、SS班ではないので、FI戦も走りながら、G3のあっ旋がどのタイミングでくるのか、わからなかったですけど、(G3に出走できれば)チャンスはあるかなと。(G3での優勝を)目標にしていたので、慢心ではないですけど、チャンスがあれば、獲れるとは思っていました」
今回で手にしたのは優勝だけではない。11月に開催される競輪祭(G1)への権利もつかんだ。
「おそらく、今年出られる(G1)のが競輪祭しかチャンスがなかった。そういうのもありながら、G3で結果を残したいなと思っていました。特別意識していたわけではないですけど。これで(競輪祭の権利を)取れたのならうれしい」
最終ホームから外併走で我慢した地元の纐纈洸翔は2センターから踏み込むも、北井を捕らえ切れず2着。ホームバンクでのG3を制覇できず悔しさを滲ませる。
「ジャンの所で西田さんが突っ張るかもわからず、自分で踏む感じになったし、中途半端でした。(小畑が)流していたので踏んだけど、(西田との)接触があった。7番(木村)が内から来て、当たられる前には踏もうとしたんですけど、脚を使ってきつかった。悔しいです。北井さんが強かったのもあるし、自分も弱かった」
小畑勝広が3車を生かして先行。番手の柿澤大貴は北井を止めることはできず、併走から踏んできた纐纈に合わせて追い込んだ。
「北井君が強かったです。後ろに(志村)龍己さんも付いていたし、タテに踏む選択肢もあったかもしれないけど、自分は現状そういう選手ではないので。役割的には(番手発進ではなく)止める立場なので。(今シリーズは)前の自力選手のおかげ、自分が(自力選手から)信頼されている選手かはわからないけど、やっぱり競輪はそういうところの日々の積み重ねなのかなと。決勝戦だし、タテに踏めよという声もあるかもしれないけど、そこは葛藤ですね」