深谷知広が古巣で今年初の記念V
深谷知広
ゲリラ豪雨と雷の影響で、直前の11レースは中止。しかしながら、決勝になると雨はすでに止んで、ゴールを先頭で駆け抜けた深谷知広が、ファンの声援に何度も右手を挙げて応えた。
「(豊橋記念は)愛知時代も優勝が1回しかなかった。そういう意味でも優勝できたことはうれしい」
09年7月に、ここ豊橋でデビュー。思い入れのある古巣、ホームバンクでの記念制覇は、25回目のG3制覇以上に重みがあり、胸が熱くなったことだろう。深谷がこう振り返って、優勝をかみ締めた。
レースは、ラインの小原太樹がスタートを出て前から進めた。赤板過ぎに地元の中部コンビが飛び出すと、そこに追い上げた菊池岳仁が続いた。深谷は眞杉匠の後ろの5番手を確保して、冷静に前後のラインの動きに注意を払った。
「いつも小原さんはいい位置を取ってくれるので、本当に心強い。すごくレースを進めやすかった。菊池も絶対に仕掛けるし、あとは新山(響平)がどういう風に来るかなっていうのを気をつけていた。その後ろに付いている選手も隙がないので、自分の場所をしっかりとキープできるようにでした」
7番手の新山が打鐘過ぎに反撃に出ると、北日本勢にかぶるまいと菊池も強烈なダッシュで踏み込む。最終ホームでは守澤太志と重なっていた深谷は、外に踏みかけないように関東勢を追いかけた。深谷後位には成田和也が切り替えてもつれる。2コーナー手前で出切った菊池、眞杉の関東勢と、3番手の深谷にバックでは優勝が絞られた。番手で後続との間合いを取る眞杉に、4コーナーで外に持ち出した深谷が襲い掛かり直線。両者の踏み比べは、僅差の勝負に持ち込まれることなく深谷に軍配が上がった。
「(眞杉匠との勝負は)見合ってっていう感じだった。自分の行けるところをしっかりと注意していた」
昨年12月の伊東記念以来、今年初のG3優勝だが、3月にウィナーズカップで久々のビッグ制覇。これで獲得賞金ランクも脇本雄太を抜いて、4位にまでジャンプアップする計算になる。
「(獲得賞金ランクが4位になるが)まだまだこれから勝負が続くので、オールスターで勝てるように。タイトルを獲って(グランプリに)いけるように準備したい」
ファン投票で6位に選出された次回のオールスターは、ドリームからのスタート。多くのファンが、10年以上遠ざかっている深谷のG1制覇を待ち望んでいる。元ホームでの記念V、これ以上ないステップで、大一番を迎えられる。
菊池が棚瀬義大をとらえて最終2コーナー手前で出切る。眞杉匠にとっては、絶好の流れだったが、直線で深谷に屈した。
「引き付けすぎた。(深谷が後ろにいたのは)わかっていたんですけどね。優勝を獲りきれなかったのは力不足でした。深谷さんは3番手から届いていますもんね。連日、ラインと車券に貢献できずに、申し訳なかったです。(今回の状態は)本当に良くなかった」
新山に合わせて3番手から仕掛けた菊池岳仁が、準決に続く眞杉との連係から3着に入った。
「このメンバーで、深谷さん、新山さんより先に(仕掛けて)行かないとチャンスがなくなる。(自分が番手の)逆の並びなら眞杉さんは甘いレースはしないので、自分が前を回った意味もなくなる。前で走ってラインで決まるレースをしないとダメ。主導権は取れたけど、(深谷に)行かれているし、力不足でした」