Ｓ級にカムバックした今期は、ここまで４場所を消化して２着が３回。惜敗が続いていた井上公が、８着。単騎の一次予選は９番手で仕掛けられずも、２日目は持ち前のパワフルな先行策を披露。ラインを上位独占に導いての逃げ切りで、念願のＳ級初勝利を飾った。

　「まさか１着が取れるとは思ってなかったですけど。手応えというか、前回のＳ級の時と気持ちが全然違う。あの時はＡ級で落ち目の時に（Ｓ級に）上がって全然ダメだった。今回は上がっている時だから大丈夫。最終日も良かったし、やっていける」

　渡邉豪との踏み合いを制し僅差の３着で粘り強さを発揮した最終日も、十分に評価できる内容。今度の井上はちょっと違う。

　初めての記念だった佐々木豪は、勢いそのままに一次予選で勝ち星を挙げて、二次予選を桑原大とともにクリア。しかしながら、シリーズの後半は失速した。

　「脚とかよりも、（初めての４日制で）気持ちをもたせるのが大変だった。キツかったです。３日目（準決）は出し切るつもりでいた。見せるレースをしなきゃいけないのに、良くないレースをしてしまった。悔しかった。それでも気持ちの切り替えをしているつもりだったけど、それが最終日のレースにつながってしまった」

　「成績じゃなくてフレームが合うのかどうかだった」と、新車で４日間を通した吉村和は、２勝をマークして好感触を得た。

　「新しいフレームが来て１週間。ここに来るまでに、しこたま（セッティングを）いじってきたので（開催中は）変えなかった。メーカーを変えて、このフレームと長く付き合っていければと。それがこの４日間、一次予選の長尾（拳）の押さえ先行から始まって、いろいろな展開で悪い感じがなかった。復帰戦でもあったんで、２勝できてよかった」