• 第29回 寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント10/15〜10/18

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅠ 前橋 10/15

 今年は新型コロナウイルス感染症の影響で全プロ競技大会が開催されず、初日の「理事長杯」は、昨年のグランプリメンバー、S班9人による戦いになった。例年に見られる寬仁親王牌“らしさ”に欠けるシリーズでもあったが、五輪代表の脇本雄太、新田祐大がつくり出すスピードは、前橋ドームと相まって異次元のゾーンに突入。スピード化に対応できないと淘汰されていく感を強く抱いた。

眞杉匠

眞杉匠

 昨年、関東地区プロの競技大会の1㎞タイムトライアルを優勝していた眞杉匠は、残念ながら3日目からの補充スタート。初のG1出場でもと光を放っていた。全プロ競技大会が開催されていれば「理事長杯」、特選スタートの可能性もあっただけに悔やまれる。

 「初めてのG1で緊張したけど、(1着を取れたんで)うれしいです。自信にもなったし、強い選手しかいないので2日間、楽しかった。今年の前半は95点くらいしかなかった。けど、今期は1班の競走得点を取りたいですね。力を出し切れれば戦えると思うし、次は正規で(GIに)出たい。このあとすぐの関プロ(地区プロ競技大会)があるで、まずはそこですね」

吉田拓矢

吉田拓矢

 4日間すべて先行策で存在感を見せた吉田拓矢は、二次予選敗退もシリーズ後半を着。3日目に手応えを得た。

 「(初日、2日目と)連日、逃げているけど、あんまり感じが良くなかった。それで2日目が終わったあとに大幅にセッティングを変えた。新山(響平)さんのアドバイスで変えてみたんですけど、すごく感じが良かった。(3日目は)ぶっつけみたいなところもあったんで、もうちょっと煮詰めていきたい」

 「僕が乗っている自転車とほとんど同じ感じです」と、同期に“塩を送った”新山。ナショナルチーム仕様で吉田の動きがよみがえった。

東口善朋

東口善朋

 東口善朋は、圧巻の逃げ切りVを遂げた脇本雄太と準決でワンツー。決勝も連結は外すことなく3着と追い込み選手としての一定の成果を上げた。脇本マークが近畿の選手の大きなテーマの1つでもあっただけに、真剣な眼差しでこう振り返る。

 「(決勝は最後の直線で)ああいう離れ方をしたのが競輪人生で初めて。準決で体験していたからなんとかなるかと思ったけど、(脇本のスピードが決勝は)もう1個上がった。これが世界のスピード。自分も歳とか関係なく頑張っていきたい。これをいい経験値として、(脇本の)後ろを強く主張して回れるように」

中川誠一郎

中川誠一郎

 3日目は先行したもののラインの援護を失って5着に沈んだ中川誠一郎だったが、最終日は逃げ切りで1着。今年最後のG1、地元九州地区の競輪祭に向けてピッチを上げている。

 「(シリーズ通して)最近の感じでは、脚も落ちているのかなっていうのがあった。もう一度やり直すじゃないけど、前回の最終日からリハビリだと思って先行した。次の防府記念(10月31日から)でも2本くらいは逃げたい。そして競輪祭につなげたいです」

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