• 小倉競輪場 第63回朝日新聞社杯競輪祭11/18〜11/23

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅠ 小倉 11/18

 6日間にわたるロングランシリーズで、今年のG1戦線もピリオド。高松宮記念杯(宿口陽一)、オールスター(古性優作)に次いで新たなタイトルホルダーが誕生した。迷いなくスタイルを貫いてレースの流れをつくった新山響平と、S班の郡司浩平、松浦悠士との単騎同士の攻防にのみ込まれるとなく差し脚を伸ばした吉田拓矢による107期のワンツー。五輪イヤーに輪界の変遷を感じながら、いよいよ年末の大一番、静岡でのグランプリを迎える。

新田祐大

新田祐大

 東京五輪では地元、日本代表としてケイリン(16位)、スプリント(26位)の2種目に出場した新田祐大は、8月のオールスターから競輪に帰ってきた。そこからわずか4カ月足らず。7年連続8回目のグランプリ出場には優勝しかないなかで、シリーズを着。準決の4着で夢が散った。

 「連日(優勝を)意識しすぎてダメなレース(4日目のダイヤモンドレース)もあったけど、このバンクだから早い段階で仕掛けてラインで決めたいっていうのがあった。結果につながらないレースもあった。グランプリを逃してしまって、来年は1班として上を目指す立場になる。本当はグランプリを決めて来年を迎えたかったけど、(最終日の1着は)いい形で終われたと思います。オリンピック後は(競輪に復帰して)周りの雰囲気やオッズなどを見ても期待されているっていう実感があった。そういう期待はパンツの色が変わっても変わらないと思う。来年はその期待に(G1制覇で)早い段階で応えられるように」

眞杉匠

眞杉匠

 ラインの佐々木悠葵とのワンツーを決めた二次予選Bが鮮烈だった眞杉匠だが、シリーズ3連対のうち先行策はこの1走だけ。苦しい胸の内を明かす。

 「自転車の感じが良くなくて、体の方も良くない。どっちもなんですよね。セッティングがいつもと違って、それで3日目くらいから腰の方も…。前の自転車が壊れれしまったんで、元に戻そうとはしているんですけど。(シリーズで)5走してバックが1本しか取れてない。積極的に行こうとはしているんですけど。まずは元に戻して、それでさらに良くなるようにしていきたい」

山田庸平

山田庸平

 着。一次予選を連勝してダイヤモンドレースにまで進んだ山田庸平は、吉田拓矢に突っ張られて脚を使わされた準決が悔やまれる。警戒されるがゆえに、簡単に切らせてもらえなかった。連続でのG1優出にはつなげられなかったが、周囲の山田を見る目も変わってきている。

 「少しずつですけど力もついてきている。あとはレースの組み立てだったりが大きいなって感じていますね。今回の感触的には1、2走目が良くて、最終日は踏み出しは良かったですけど、後半がイマイチだった。前回(寬仁親王牌)で決勝に乗れたのが大きかったですね。気持ちの面で強くなってきたと思います」

野口裕史

野口裕史

 G1は通算で6回目の出場も、競輪祭は初めてだった野口裕史。G1ながらもいつもと違う雰囲気に自らプレッシャーをかけて着に終わった。同県の中村浩士とワンツーの最終日に、ようやく本来のパワフルさが見られた。

 「これが初めての競輪祭だったんですけど、いつものG1と全然違いました。これが最終戦、グランプリがかかっている緊張感なのかって。1走目なんて一緒に走った山口拳矢君の後ろ姿を見て、これがグランプリを狙っている選手なのかって。そういう緊張感が伝わってきて、自分はグランプリがかかってないのにガチガチになっちゃいました(笑)。それが日に日に取れてきた感じです」

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