• 第37回読売新聞社杯全日本選抜競輪2/20〜2/23

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅠ 取手 02/20

 今年最初のグランプリチケットをかけた戦いは、単騎の深谷知広、平原康多が道中で8、9番手を強いられたことで単調な流れのレースになった。古性優作が、中四国勢の後ろの3番手を手に入れて優勝。番手まくりの松浦悠士のインを突いた瞬時の判断力と、細やかなテクニック、そして脚力は並みの一流選手ではマネできるものではない。が、グランプリ王者のアドバンテージである1番車のチャンピオンジャージが、あのポジションをもたらし、古性の2度目のタイトル奪取に大きくモノを言ったのは確かだろう。自身は満足のいく内容ではなかったようだが、寸分の隙もない走りこそが古性らしさでもあるように思える。

吉澤純平

吉澤純平

 地元の吉澤純平は、怪我に泣かされていたこともあり、一昨年11月の競輪祭以来となる久しぶりのG1。新車を投入した今シリーズは、眞杉匠と長島大介の番手で2勝をマークした。

 「(今回は)新車がぶっつけだった。自力を出した時は、まだ調整が必要ですね。いい面と悪い面があるなって感じました。(久々のG1が地元で)そこまで気負いはなくて、普通開催と変わらない気持ちでした。自力だともっと力をつけないといけない。(3日目に)取鳥(雄吾)君に突っ張られたんで、ああいうところだと思います。もっと上積みをもてるようにしていきたい」

松井宏佑

松井宏佑

 「昨日は話にならなかった」と、眞杉匠を叩けずにシンガリに敗れた準決を振り返った松井宏佑だが、それ以外の3走では打鐘ではハナに立つ積極策で2勝3着1回。風の強いタフなバンクコンディションのなかで、存分にスピードを披露した。

 「(今シリーズは)準決以外は自分の納得のできる走りだった。自転車ともかみあって、体もいい感じだった。今回は新車に乗ったけど、いままで乗ってきたなかでは、いい方のフレームだと思います。次のウィナーズカップ(3月18日から)までに、もっとセッティングを出したい。(ナショナルチームのトレーニングもあるけど)競輪に向き合える時間がもっと増えると思うんで」

和田真久留

和田真久留

 初日特選で深谷知広の番手から幸先のいいスタートを切った和田真久留は、シリーズを着。2日目のスタールビー賞では深谷、郡司浩平の3番手。あとの3走はすべて番手回りとなった。

 「(今シリーズは番手、3番手回りで)そういう場面のなかで、番手の時にしっかり仕事をしないと認められないと思う。自力の時は先行もできる選手でありたいですし、番手なら番手でしっかり止めれるようなレースをしていきたい。全部できればパーフェクトだと思っている。(シリーズを通して)自力で1回は動くという頭はあったので、そういうフレームだったりセッティングだった。また自力で戦うときは南関で(ラインに)迷惑を掛けないような、自力で勝負できるような状態をつくっていきたい」

小原佑太

小原佑太

 昨年末にヤンググランプリを獲った小原佑太は、今年の初場所となった1月向日町の初日に失格の憂き目。ナショナルチームでの活動もあり、1カ月半ぶりとなった今年2場所目の今シリーズは着。打鐘前からのカマシ一撃で別線を沈めた最終日は、東京五輪を盛り上げたナショナルチームの先輩を見ているようだった。

 「最終日は、昨日(渡邉)一成さんと連係して失敗をしていたんで、長い距離を行ってどのくらいもつのかを確認もしたかった。(乗っている)ポジションもうまくいってないところがあるので、そこを改善できればもっといいタイムで走れると思います。(普段はカーボンフレームでトレーニングしているので)鉄のフレームが体になじんでなかった。鉄とカーボンの差が出た感じです。脇本(雄太)さんのレースを見ていて、この人スゲーなって思っている。(最終日の走りで)それを彷彿させることができたなら良かった。この風のなかで2着に粘れたのは自信にもなります」

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