• 名古屋競輪場 第38回共同通信社杯9/16〜9/19

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅡ 名古屋 09/16

 若手の登竜門と銘打たれた共同通信社杯だったが、若い機動力タイプでのつぶし合いもあり、決勝の9人に20代は皆無。40代が5人というメンバー構成は、“競輪”が内包する難しさであり、それ以上のおもしろさでもある。絶対的な脚力を誇っている脇本雄太でさえ、連勝が21でストップ。展開のあや、台風の影響による暴風雨の前には、如何ともしがたかった。

中野慎詞

中野慎詞

 今シリーズ最大の目玉でもあった中野慎詞は、着。無傷の3連勝で決勝まで進んだ前回の青森記念とは違い、初日から辛酸をなめた初めのビッグだった。

 「作戦のなかというか、思った通りにいかないことがほとんどでした。勉強ばかりの4日間でした。競輪の難しさ、厳しさっていうのを感じました。先輩方からは9車立ての方が流れがあるからいいって言われるけど、まだスピード感、展開の早さに自分が追いついていない。失敗したことは2度としないように。それは師匠(佐藤友和)にも言われています。(初めてのビッグは)普段と違う雰囲気もあったけど、自分の目指すところもそこですから。(シリーズの)4日間で2日目が一番悔しかった。自分のミスでラインにも迷惑を掛けてしまった。ただ、早くにこういう経験ができたのは良かった」

松井宏佑

松井宏佑

 松井宏佑は、着でしり上がりに成績を上げたシリーズでもあった。最終日の強風を切り裂いて渡邉雄太を振り切った逃げ切りが、本来の力であるのは間違いない。9月24日のバースデーで三十路に突入するが、アグレッシブな走りにブレはない。

 「課題はシリーズの最初の方が悪くて、後半に良くなっていくこと。(ナショナルチームのトレーニングで)普段はカーボンフレームでモガいてるんで、初日からなじめない。そこですね。20代最後に1着が取れたんで、30歳の最初でも1着を取りたい。年はあんまり気にしてないし、30歳になってもこのスタイルを貫きたい」

荒井崇博

荒井崇博

 シリーズ3日目に荒井崇博は、99年4月のデビューから、23年5カ月で通算500勝の区切りを達成。獲得賞金ランク12位(9月19日現在)で初のグランプリ出場に、あと2つのG1で伸るか反るかの勝負が待っている。

 「(2日目は)正直、(別線に)粘られたら、失格してもっていうくらいの思いではいました。もう2回失格してるんで、次すると2班になってしまうかもしれないけど、SSか2班かっていうくらいの気持ちです。(3日目に通算500勝を飾り)やっとかなっていう思いです。400勝の時は一番苦しい時期だったんで、それと比べたら(500勝は)楽でした。ホッとした感じはあるけど、うれしいぞっていうのはない。これからはやっぱりタイトルを獲りたいですね」

大川龍二

大川龍二

 デビュー17年目にして初めてのビッグ出場の機会をつかんだ大川龍二は、3日目に後方からシャープに伸びて2着。ビッグ初勝利には届かなかったが、好配当をメイクした。

 「(初めてのビッグで)ただ付いているだけじゃなくて、強い人たちと戦って、なにか存在感を示せればと思っていた。自分はう余曲折あったけど、広島からは(今回)5人が出場して、松浦(悠士)を中心に(レベルが)引き上がっているのかなと。自分も限られた時間のなかで、どん欲にやってきたい。7月に無茶をしすぎて、腰が壊れたしまった。正直、準備が足りてなかったのはある。1着が取れなかったもどかしさがありますね」

ページトップへ