ピックアップ GⅢ 宇都宮 05/15

武田豊樹
500バンク特有の難しさのなか、実力拮抗で荒れ模様のレースが多かった4日間。地元のSS班・眞杉匠は松浦悠士を落車させたことで準決勝は1着失格と波乱もあったが『第1回レジェンド神山雄一郎カップ』とサブタイトルが付いた今大会はベテラン勢が存在感を高めた。武田豊樹はシリーズ3勝。伏見俊昭が白星発進から決勝まで勝ち進む。小嶋敬二は2日目に若手を相手に逃げて2着など普以上に気を吐いた。決勝戦は地元勢が2名勝ち上がるも、優勝したのは清水裕友を指名した神奈川の小原太樹。今年に入り18回のG3開催があったが、その内9回で南関勢が優勝。2025年は中盤にさしかかったがいまのところG3は南関勢が席巻している。

吉田有希
今シリーズ、地元勢を背にして積極策で応えたのが茨城の吉田有希。準決勝以外の3日間でバック線を先頭に通過して全て番手選手とワンツー。しかし吉田自身はシリーズでの走りに納得していない。
「連日、3番手を連れて込めていないのが課題。準決勝は(眞杉匠に)仕事させないような先行すれば良かったし、悔いが残るし悔しかった。あそこで仕事をさせないのが自力の役目だと思うので。いまは結果よりも内容重視で。漢字の競輪をする若手が減ってきているし、そのなかで僕みたいな昭和の競輪をするのがいてもいいかなって。自分は走りで語る姿をみてもらえたら。次の地元記念も内容にこだわって(ラインを)アシストしていきたい」

後藤大輝
今年はGレースでも結果を出したい後藤大輝は初日1着で好スタートを切ったかと思われたが、成績は1着と準決勝にも進めず。後藤はシリーズをこう振り返る。
「2、3日目は持ち味を出せなくて着も悪くて。甘さが出ましたね。自力を出して力を出し切って着を取りたいし、それで勝負していきたい。今回は500バンクの特性を生かし切れなかった。仕掛けのポイントも下手くそでした。坂井(洋)さんからアドバイスをもらったりして最終日にやっとって感じです。9車立てだけど、ピッチが上がらない感じでした。次に500バンクを走るときは良い成績を出したい。F1で優勝できたので、次はGレースで結果を。当たり前のように準決勝、決勝を走っているような選手になりたい」

岡田亮太
岡田亮太は一次予選で6着も2日目から着と尻上がりに好走。岡田自身は淡々としていたが、シリーズ通して冷静な走りが光った。
「最終日は3番手を取った展開だったので勝ち切りたかったですね。(最終日は)バンクが軽かったのかな。真鍋(智寛)さんも強かったけど、まくりがモコモコしてしまった。前回の大垣からセッティングを変えてからですね。それで今回は前回よりいいかなと思ったら今回は初日に6着してしまって。ダメかと思ったら1着、1着、2着なので。メンタルなんですかね。2日目は落ち着いて走れたし、3日目は体の状態が良かったしオーバーペースかと思ったけど、最後まで踏み切れた」
武田豊樹は『レジェンド神山雄一郎カップ』で躍動したうちのひとり。初日は自ら踏んで好発進を決めると、2日目は3番手から突き抜け。最終日は好展開を生かして3勝目と急激に状態と成績が上向いた。
「(前検日に)神山(雄一郎)さんに会ったんですけど、やっぱり一走に対しての気持ちの入り方が違いますね。普段からこういう気持ちで走りたいと思ったし、本当に初日は気持ちが高ぶっていましたね。ただ最終日になって脚がキツくて。課題ですね。3日目のレースも課題が残りますね。良くなってきている感じはないけど、次の京王閣、その次の地元記念も同じ感じでいけたら」