ピックアップ GⅢ 取手 05/31
ダービーを獲って連覇のかかる地元記念での凱旋シリーズだった吉田拓矢が、決勝で取った策は突っ張り先行。杉森輝大の番手発進で松井宏佑は不発に追いやったものの、最後は郡司浩平に優勝をさらわれた。強力な南関ラインを相手に限られたなかでの選択だったのだろうが…。

武田豊樹
1月に通算500勝を遂げた武田豊樹は、地元記念のオープニングで表彰を受けてからシリーズをスタートさせた。展開にも泣かされて二次予選敗退もシリーズ3連対。勝ち星を1つ加えて511勝で地元記念を終えた。
「(最終日の)今日でやっとしっくりきた感じがあった。最初の2走は力が入りすぎました。調子も上がってきてたんで、この調子でなんとか決勝に行きたかった。地元記念はずっと走っているけど、(いまでも気持ちが高ぶってきて)地元記念にかける(ただならぬ)思いが自分自身にもまだあるんだなって。だからこそ、いまも走り続けているんだと思う。そこが緩んでこないように」

芦澤大輔

吉田有希
シリーズ3勝をマークした芦澤大輔は、その勝ち星すべてが吉田有希の番手。「(吉田)有希のおかげ。この一言に尽きます」と、シリーズを振り返った。
「(自分の気持ちが)掛かり気味で入った取手記念だった。2日目の自分の判断ミスが悔やまれる。まだまだ勉強ですね。ただ、自分の脚が上がってきている感じはあります。現状は(練習を)無理しないでコツコツとやって、しっかりと追い込む時には追い込んでメリハリをつけてだと思います。腰痛があるんで、その辺りは意気込みすぎないように」
伊東翔貴と叩き合った二次予選も含めて、吉田有希は4日間とも積極策。芦澤大輔との3度のワンツーは信頼関係の証。同県同期で同学年でもある木村皆斗とシリーズを盛り上げた。
「(芦澤とシリーズ3回目のワンツーは)追い込みの先輩のプライドもあるし、僕もプライドがある。それがマッチしたんだと思います。ラインあっての競輪なんで。自分も心おきなく先行できる。(今シリーズに投入した新車は)このあと体に慣らしていくかんじですね。硬さのあるフレームだし、いいと思います。(木村は)G1に出られるくらいの選手になっている。それに小畑(勝広)さん、松崎(広太)さんもいる。自分は早くからG1に出ているし、それは財産だと思う。ただ、出るだけじゃダメだし、そういういろんな経験したもの伝えられたらいい」

眞杉匠
準決ではらしからぬスピード感で岩津裕介にさばかれた眞杉匠は、まさかのシンガリ惨敗。初日特選を白星で好スタート。新車を投入して、準決以外はすべて連対を果たした。それだけに評価が難しい。
「(今シリーズから使い始めた新車の)フレームはいいと思う。このまま調整して、(次の)高松宮記念杯でもこのフレームを使うつもりです。ただ、昨日(3日目)はシューズをいじって、まったく良くなかった。伸びがまったくなかった。それで今日は戻しました。このあとは(吉田拓矢、小林泰正とかと)取手で高松宮記念杯前に合宿をする予定です」