ピックアップ GⅢ 久留米 06/28
10年ぶりの記念制覇にもかかわらず、V会見では笑顔のなかった南修二。太田海也、郡司浩平らとの脚力差を痛感させられたこともあるが、大きな理由はラインだろう。初日特選同様に同地区の三谷将太とのタッグ。先頭を務めるからには、ラインの全員にチャンスのある走りを。それは追い込み選手だろうが、先行選手だろうが変わらない。それが体現できなかった南の胸中は推して知るべし。その強い思いが近畿を強くしてきただけに、G3はもとより、さらなら大きな舞台での南のすっきりとした優勝を待ちたい。

渡邉雅也
渡邉雅也は、1着でシリーズを2勝。準決では取鳥雄吾、後藤大輝の壮絶なモガき合いをまくりにいったものの、松本貴治に阻まれて不発。優出はならずも、2度目のビッグとなるサマーナイトフェスティバル、さらに初G1の8月のオールスターに向けてモチベーションは高い。
「(今シリーズは)着が大きいところもあったけど、調子は悪くない。(準決の)仕掛けたところも成長できたかなと。ただ、力不足ですね。(あれで乗り越えられるようになれば)おもしろいし、もうちょいですね。(オールスターの出場が決まったが)G1では名前も知られていない。そのなかで(存在感を出して)荒らすことができたら。今年は出場できるグレード(ビッグ)も去年より多い。G1、G2で爪あとを残したい。(別線にとって)面倒くさい選手、邪魔になるような選手に」

立部楓真
4月に3場所連続の完全Vの特進で、立部楓真がS級にカムバック。S級復帰後、今シリーズが初めての9車立てだったが、「(過去に自分が)良かったころよりも、いいと思います」と、初日に手ごたえをつかんでいた。シリーズ3連対。最終日には、まくりを披露して勝ち星を挙げた。
「連日、長い距離ばかりだったんで、(最終日の)まくりでもどうかなっていうのがあった。そしたらスピードの乗りもいい感じでした。2年前にS1を取った時の乗り方に戻したんですけど、その時よりもいいと思います。脚力も上がっているし、かみ合えば前の時よりも、点数が取れると思う。でも、脚はまだまだだし、レースのなかの隙も多い。昨日(3日目)も、結局、向こう(2分戦での太田海也)のラインがワンツースリーだった。せめて太田君の脚力を削れるくらいじゃないと」

佐藤礼文
佐藤礼文は、3度目のG1出場となった前回の高松宮記念杯で準決にまで進出。競走得点をアップさせただけではなく、そのG1での感触を今シリーズに持ち込んで、レベルアップを感じさせる立ち回りが光った。
「昨日(3日目)付いていけたのが大きい。4着だったけど、自分のなかでは、(郡司浩平、和田真久留に)付いていてヤバいっていう感じがなかった。ゆとりをもって付いていけたと思います。やっぱりG1をちゃんと戦えたから、あのスピード域でも対応できたんだと思う。あれに付いていけたから、(小林泰正のまくりを差した最終日の)今日も余裕があった。いまのセッティングだと、推進力がありすぎて、ヨコの動きは大きくなってしまう。そこをクイックに動けるかが課題。本当はヨコ仕様の違うセッティングにしたいけど、(吉田)拓矢とか、眞杉(匠)には、その(タテ仕様の)セッティングじゃなかったら、G1だとジャンでいなくなってるって言われるんです。このセッティングだからこそ、G1のスピード域に付いていけていた。それで、ヨコもクイックにできるようになりたい。(11月の)競輪祭の選考期間が8月までですし、気持ちを緩めずに集中して走っていきたい」

昼田達哉
一次予選敗退ながらも昼田達哉は、シリーズ後半で最終バックを取って2連対。前期の中盤まではS級1班の競走得点も視野に入っていたが、その後は失速。「あれが続かない。(どうして悪くなったか)自己分析ができていない」とはい言うものの、懸命にトレーニングに励んで先を見据えている。
「去年の後期は、残り半周のコーナーでお尻がサドルに吸いつくような感じで踏めていて、その踏み方が理想なんです。でも、いまはサドルからお尻が跳ねている感じがしている。コーナーでうまく踏めている感じがないんですけど、そこはいまは練習でやってない部分があるからしょうがないのかなと。いまはもう1回土台づくりをしています。本当は周回40周とかをやりたいけど、練習の人数的に無理なんで、ワットバイクで乗り込んだりしています。アマチュア時代にやっていたような、ロード練習みたいな感覚ですね。まず土台をつくり直して、そこにペダリングとかを積み重ねていきたいです」