ピックアップ GⅢ 取手 03/12
荒川達郎
今シリーズの荒川達郎は二次予選で大敗を喫したが、3日目、4日目は自在な立ち回りで2連対を果たした。在所1位で卒記チャンプの肩書を持ち、注目されるレーサーの一人であるが、決して背伸びをすることなく現状と向き合っている。
シリーズ最終日は高橋築を連れて打鐘から叩いて出たが、高橋和也に叩かれてしまう。それでも高橋築のサポートもあって番手にはまる形になると、二の脚を使って最終2センターから外を踏み込んだ。
「出させないつもりで踏んでいましたけど、出られてしまったので。高橋築さん入れてもらえたので、もう一度外を踏まないといけないと思って仕掛けました。脚力アップもそうだけど、もっと組み立てを工夫していかないといけない。競輪はタイムだけじゃないと思うので。緩急だったり走り方だったり。先行とか自在とかっていう戦法というよりも、相手にとって前に出たら放っておけない選手だなって思ってもらえるようになれたらなって思っています」
嵯峨昇喜郎
前回の伊東F1から中4日で、追加での参戦となった嵯峨昇喜郎は特選スタートながら二次予選でまさかの敗退。限られた時間のなかで調整不足はいなめない印象であったが、3日目からフォームの崩れに気づいて軌道修正に成功。最終日は赤板から押さえて出ると、同型の岸田剛を一歩も出されることなくそのまま2周駆けて堂々と押し切った。
「(初日、2日と走ってみて)左脚の力が外に逃げてしまっている感じがしたので、左側のシューズのサンを内股になるように角度を変えました。(最終日に対戦した)岸田君には以前やられていたので、今回はやり返したかった。最後はいっぱいでしたけど、あれだけ踏んで1着で締めくくれたので。次の開催につながると思います」
村上博幸
単騎で挑んだ初日特選でまくりを放つなど、仕上がりの良さをアピールしていた村上博幸。準決勝は目標の岸田剛と後方で共倒れに終わり、決勝進出はかなわなかったが、最終日は原田翔真をリードしながら番手まくりでシリーズ3勝目を挙げた。 「年々、ハコまくりっていうのはきつくなってくるんですけど。今回は自分でも仕上がっている感じはしたので。初日みたいに自分で仕掛けるまくりと、ハコまくりは踏み方が違うんですけど。初日は(佐藤)慎太郎さんを越えることを意識して踏みましたけど、最終日はゴールまで失速しないように意識して踏めました」
スピード化が進んでいる現代の競輪は追い込み選手にもタテ脚が求められている。今年からS班となった南修二らも各所で自力を出しているように、目標が不在のレースなど、いざとなればのタテ脚は必要不可欠だろう。
「準決で脚を余らせて負けたので、久々に悔しかったで。脚力でどうしようもないときとかはありますけど。今回はそれなりに仕上げてきたつもりだったので。年齢を重ねてきて、練習の質も量も落ちてしまうのは仕方がないとは思いますけど、練習の時間は若い頃と変わっていないんで。誰にも負けないくらい練習はやっているつもりなんで。やっぱり負けたら悔しい。(若い頃と変わらないモチベーションを維持できているのは)そこがあるからだと思います」
上野優太
今シリーズの上野優太は初日特選から鋭い決め脚を披露していて、状態の良さが光っていた。目標不在となった準決勝は根田空史の番手でジカ勝負を決意。一度は根田の番手を奪ったが、気迫の追い上げに出た渡邉雅也に捌かれてしまって決勝進出は叶わなかった。
「自分に(初日特選でまくりを披露した)村上(博幸)さんみたいなタテ脚があれば、自分でやるっていう選択もあったと思う。でも自分の脚力で、根田さんも小堀(敢太)君もまくれない思ったので勝負しました。番手を取り切ったところまでは良かったですけど、渡邉君がうまかった。ヨコで勝てても結果的に脚力不足でした」
気持ちを切り替えて挑んだ最終日は林大悟を的確にリードして白星締めに成功。課題の残るシリーズであったが、確かな手ごたえもつかんだ様子。
「前回久留米はペダリングのロスがある感じで、用なかったですね。今回はそこを修正しようと思って、直前は軽いギアできれいに回すことを意識して練習してきました。今回は前回みたいなペダリングのロスはなくなったと思いますし、いい感じで自転車は進んでくれた。今後もそこを意識しながらやっていきたい」