• 8/27〜8/30
  • 前橋競輪場開設76周年記念 三山王冠争奪戦

  • 8/27〜8/30

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 前橋 08/27

 暑さが続く8月最後のGIII開催だったが、ドーム環境で天候、気温に左右されることなく、選手たちは持ち得る力を存分に発揮。渡部幸訓の開設記念初優勝でシリーズは幕を閉じた。唯一参戦のSS班の南修二は二次予選の1勝止まりだったが、意地で決勝には勝ち進んだ。ただ、今シリーズは若手機動型の活躍が目立った開催だった。

松本秀之慎の顔写真

松本秀之慎

 松本秀之慎は初日にロングまくりで白星を挙げると、二次予選では同県の先輩の伊藤旭を連れて別線をのみ込む一撃で2着。決勝進出をかけた準決勝はゴール直線で落車。再乗して8着となるが、最終日は満身創痍ながら果敢な逃げで2着。ここにきて素質が開花し始めた。

 「3月ぐらいに色々と変えようと思って伊東FIで(山田)庸平さんと、(東矢) 圭吾さんと話をしてレース内容を見直そうと。自力をしっかりと出せるようにって感じでその開催、先行を2回して、脚力を上げないといけないなって思いました」と、先輩がたに教えを乞いて意識が変わった。

 「練習量を見直して自転車に長く乗って本数をこなすようになって脚力が上がっている感じがありました。それがレースに出てきてくれるようになってきました」

 3月から8月後半まで約半年。地道に続けたトレーニングが結果として現れてきた。ここから見据えるのはS級初優勝でもGI、GII出場でもない。10月に控える地元・熊本記念だ。

 「初めて地元記念を走れるので、練習していい状態で迎えたいですね。(嘉永)泰斗さんと連係したことがないので、地元記念で泰斗さんの前で走りたい」と、九州唯一のSS班であり、同県の大先輩でもある嘉永泰斗との連係を夢みて10月までトレーニングを重ねていく。

吉田有希の顔写真

吉田有希

 7月に茨城から岐阜へと移籍した吉田有希は7月に高知サマーナイトでGIIを、8月には松山オールスターでGIに出場したが、一度も確定板に入ることができない散々なでき。間の奈良FIでは2連対で決勝に進出するが、G開催では結果が出ていなかった。その原因をこう語る。

 「環境が変わって心の整理がついていなくて。まだまだ落ち着いてって感じではないんですよね。練習環境はすごくいいと思うんですけど、見えないところでストレスを感じているみたいで。FIでは決勝に上がれたけど、GII、GIで半端な走りになってしまった」

 それでも走り慣れて相性のいい前橋バンクでは連日、持ち味をフルに発揮した。準決勝で敗退したが、3度の2着で準決勝以外は全てバック線を先頭で通過と中部の新たな大砲として改めて名乗りを挙げた。

 「自分の持ち味を生かせたら今回みたいにバックも3回取れて2着も3回取れる。中部にきたからには中部にきて良かったと思ってもらいたい」と、自身のセールスポイントは先行ということを誰よりも実感している。だからこそ、中部の先行型として、ひとつの目標を掲げる。

 「まずは浅井(康太)さんに1回ぐらいは僕の番手から記念(GIII)を獲ってもらいたい。関東でやってきたことは自分のなかではもう時効なので。中部の一員としてなにができるかを考えて、これからはやっていきたい」と、いまもなお、中部地区を走りで、背中で引っ張っている浅井の優勝に貢献するべく、これから中部の先行屋して地位を確立していく。

堀江省吾の顔写真

堀江省吾

 堀江省吾は歯の治療の影響で6月の松戸でS級初優勝を決めたあとから59日の長期欠場。久しぶりの実戦となった今シリーズだが、4走全てでバックを先頭で通過。二次予選で惜しくも敗退となったが、3度の確定板入りと地元・群馬勢の前で引っ張った。

 「久しぶりの実戦でしたけど、4日間、やった方ですね。二次予選はもったいなかったですけど、仕掛けるべきところで仕掛けられた。やりたいレースをできましたね。4日間、出し切れたのは収穫です。連日、群馬勢の前で頑張ることができたのもよかったです」と、二次予選敗退を悔やむも、シリーズを通して持ち味を存分にアピールした。

 「今回は復帰戦で室内だから良かったですけど、外で風を受けたりしていたら、末がもたなかったかもしれない」とシリーズを振り返り、冷静に自身の状態を分析した。

 ここからは9月の共同通信社杯に向けて全力でトレーニングに取り組む。ビッグ開催初の正規あっせん(昨年の寬仁親王牌は2日目からの補充参戦)なだけに、十分な調整期間を取ってGII開催に挑む。

 「次の共同杯まで時間があるので、しっかりとその辺を鍛えて挑みたいです。追加を付けるつもりもありません。共同杯までみっちりと練習するつもりです。菊池(岳仁)や(中島)詩音、依田(翔太)と一緒に練習して鍛えてもらいます。いまは美鈴湖のバンクが使えないので、練習は山梨のほうでやらせてもらっています」と、同年代が集まって鍛えぬく。

 「GII開催なので爪痕を残したいですね。共同杯は結果もそうですけど、逃げて爪痕を残したい。共同杯はそこが目標です」と、関東の自力型らしく、先手必勝の走りで真っ向勝負に挑む。