地元の平原康が不動の主役

平原康多

稲垣裕之
平原康多は新設されたウィナーズカップまで今期4場所の16走、すべてがグレード戦での舞台で着外がゼロ。驚異の数字を残している。地元のここも圧倒的な存在感で、10年以来3度目の西武園記念制覇へ突き進む。17年を立川記念から始動した平原は、続く大宮記念を完全V。そして全日本選抜を着。準決では脇本雄太、原田研太朗、郡司浩平と伸び盛りの機動型にレースをさせず、先行策に出て武田豊樹とワンツー。3着にもラインの神山拓弥を連れ込み別線を完封した。三谷竜生が逃げたファイナルでは、稲垣裕之から番手を奪い取り追い込みでV。落車禍でコンディションづくりに苦しんだ昨年とは打って変わり、早々に年末のグランプリ出場権を獲得した。ウィナーズカップでも危なげなく優出を遂げたものの、決勝では郡司のまくりをつかまえ切れず3着。それでも位置取り、仕掛けのポイントがスムーズに運ばなかったことを考えれば、十分に評価できる内容だ。同県の池田勇人が勝ち上がってくれば番手が濃厚だが、対応力ある平原なら不安はない。神山雄一郎もいるが、近況の成績、競走得点を考慮すると平原の後ろを回るのは諸橋愛とみる。1月防府、2月大垣とF1戦を連覇して弾みをつけ、全日本選抜では決勝に進出。追い込みとして着実に関東での地位を上げてきた諸橋が、地元の平原を援護して直線勝負に持ち込もう。
近畿勢はS班の稲垣裕之を筆頭に脇本雄太、村上博幸、三谷将太と手利きがそろった。S班として昨年以上の重責を担い奮闘している稲垣は、今期6場所ですべて決勝に進出。優勝こそないが、全日本選抜、ウィナーズカップのビッグを含めたG戦線だけに簡単に真似のできる芸当ではない。ウィナーズカップでは2次予選、準決を追い込みで勝ち星を挙げると、決勝は近畿ラインの先頭で敢然と風を切った。結果、すんなり中団を手に入れた郡司のまくりに屈して8着に沈んだが、シリーズを通して動きは悪くなかった。一時の不振は脱したように見える脇本や追い込み陣らをまとめて、近畿勢にシリーズの流れを呼び込みたい。

岩津裕介

中川誠一郎
ウィナーズカップの初日特選では同県の河端朋之とワンツーの岩津裕介だが、地区的にはまだまだ苦戦を強いられている。準決では松浦悠士の前を回り4着と課題を残した。今シリーズも中四国の機動型が豊富とは言えず、地区的には中川誠一郎との連係が現実的か。その中川は2月の奈良記念で右鎖骨骨折に見舞われ、3月のウィナーズカップで復帰。着と一息だったが徐々に本来の姿を取り戻すことだろう。
南関勢は松谷秀幸、近藤隆司、岡村潤と地区を支えるミドルエイジがそろい、どんなラインができあがるのか興味深い。一撃の破壊力は絶大な近藤次第では、台頭があっていい。