そろいにそろった南関軍団

郡司浩平

和田真久留

犬伏湧也
ダービーの余韻も冷めやらない時期に開催されるシリーズ。南関勢はこれ以上は望めないほどのメンバーが集結する。地元からはエースの郡司浩平に、松井宏佑、和田真久留。そこに深谷知広、郡司と並びSS班の岩本俊介や和田健太郎らも加わるのだから手が付けられない。郡司、深谷、岩本は南関結束を旗印にG3、ビッグ戦線で息の合った連係を見せているし、今年の記念では郡司がV3、深谷がV2、松井がV1、和田真も3月四日市でG3優勝と、年頭から話題が尽きない。深谷と郡司はケースバイケースで前後を入れ替えて戦っているように、連係の形は流動的だが、本命は郡司で揺るがない。4月川崎記念では4日間、自力勝負で犬伏湧也、脇本雄らを破って完全優勝と責任を全うしてみせた。ダービー、ここと気の抜けないレースがまだ続く中、抜かりなく状態を整えて、この大会2V目に邁進する。深谷も異次元ダッシュで繰り出す自力攻撃には定評があり、今年はビッグでも優参続きと波に乗っている。和田真、松井もホームバンクの記念だけに引き立て役に止まることは考えていないだろう。和田真は郡司と同様に自力も含めて展開不問の対応力の高さには定評あるところだし、動けている近況でもある。松井も2月奈良記念でVの後も4月高知記念で着など自力攻撃の破壊力は申し分ない。チャンスが巡ればいつでもモノにできる。
犬伏の走りも見ものだろう。後続が離れるほどの踏み出しの切れは最大の武器であると同時に、レースの組み立ての課題にもなっている。ただ、SS班昇格初戦の高知記念では初日に落車しながら、二次予選、準決を連勝し、決勝も清水裕とワンツーを決める準V。続く川崎記念も落車の影響がまだ残る中で決勝に進出していて、準決はカマシに番手が離れるピンチにも動じることなく2着に逃げ粘った。新SS班の責任を強く自覚していて、ためらうことなく力を出し切れれば他を圧倒できる。小川真太郎らはまずは追走に集中していく。
伊藤颯馬や北津留翼、ルーキーチャンピオンに輝いた阿部英斗らの機動型を荒井崇博が束ねる九州勢もV争いに加わる勢力。荒井は1着ラッシュで、藤井侑を相手に逃げ切り勝ちまであるほど。また、9車立て、タイトなスケジュールで存在感を発揮する園田匠にも注目だ。
森田優弥、武藤龍生の埼玉コンビが軸の関東勢にも警戒。森田は高知記念での落車の影響がなければという事になりそうだが、武藤は差し脚が切れている。4月豊橋では和田真と組んで今年3V目をゲットした。
1月立川記念を制している山口拳矢は練習中の怪我で鎖骨を骨折。4月玉野から復帰してきたが、本調子に戻るにはもう少し時間が掛かりそう。一方、近畿スジの目標は手薄でも南修二、三谷将太らの動向も見逃せない。