止まらない佐藤水菜

佐藤水菜

児玉碧衣

梅川風子
日本の最速レーサーで、昨年の世界選ケイリン女王の佐藤水菜は、ガールズケイリンでも無敵の快進撃。ナショナルチームでの活動があって出走本数は多くないが、オールガールズクラシック、パールカップと今年のG1戦を続けて優勝していて年間グランプリスラムも視野に入っている。競技の方でも結果を出しているのは脚力だけでなく並外れた精神力もあってのことで、それはガールズ戦でも遺憾なく発揮されている。オールガールズの決勝は早いタイミングで仕掛けて後ろを児玉碧衣と梅川風子で並走にして逃げ切り、パールカップの決勝はロングまくりと、相手を大胆に翻弄する走りでシャットアウト。ただ力でねじ伏せるだけのワンパターンの走りではないのは最大の強みだし、勝ち上がりの厳しい予選からではなく、「ガールズドリームレース」スタートというのも大きい。余程コンディション作りに失敗しない限り、またもライバルたちを沈黙させて新設G1の初代女王の座に就くことだろう。
9年連続でファン投票1位に輝いた児玉碧衣が最強の相手。オールガールズの準決では先まくりで佐藤を破っている。パールカップこそまさかの予選敗退に終わったものの、負け戦は上がり11秒台のカマシ、まくりを連発していたし、ベストの練習方法と出会って脚は過去一番レベルに仕上がっている。両者の対決は初日から一番の見どころになる。
スピード勝負なら梅川風子、太田りゆも引けを取らない。デビューから昨年までナショナルチームの活動が優先だった太田はレース経験の少なさを埋めるべく試行錯誤している部分があるが、今年の梅川はすごい。オールガールズの決勝3着、パールカップの準決3着、決勝4着以外は全て勝っていて非の打ちどころがない。仕掛けるべきところで仕掛けて、最高のパフォーマンスを発揮なら2度目のG1Vも。
パールカップの準Vで賞金ランク2位までジャンプアップしたのが尾崎睦だ。パールカップの前後の普通開催はともに3場所連続完全優勝していて、年末の地元グランプリ出場へモチベーション高く戦っている。あとは佐藤や児玉、梅川との間に感じる力の差をどうやって埋めていくかだ。
パールカップでG1初出場を果たした仲澤春香も引き続き注目の的だ。佐藤とともにナショナルチームで鍛えているスピードと粘りは着で勝ち上がったパールカップでも見せた。大舞台の経験も重ねていけば決勝でも力を発揮できるだろうし、流れに乗って仕掛けられれば大仕事をやってのける期待も。
坂口楓華、久米詩も変わらず高いレベルを維持していてV争いに加わりそう。今年のG1をともに優参と勝負強い柳原真緒にも魅力を感じる。